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「菜根譚」との出会い
2017年9月に岩波文庫から出版されている「菜根譚」(今井宇三郎著)を購入しました。1000円ほどの書物ですが、この書は今でも私の一番の愛読書でかつ人生に悩んだときの羅針盤としての知恵を授けてくれます。
辛いこと、悲しいことがあったとき、人間が辛く、悲しい気持ちになり、落ち込みます。時には最大限落ち込むことも必要ですが、可能であれば明るく、楽しく、前向きに過ごせた方が良さそうです。物事には必ず二面性があり、辛いできごとも見方を変えれば自分を成長させる糧であったりします。
「菜根譚」は中国古典の一つで、洪自誠(洪応明)が書いた文章です。16世紀後半から17世紀前半頃に生きた人と考えられていますが、詳しい伝記などは残っていません。日本においては加賀藩の儒者林蓀坡(はやし そんぱ、1781年-1836年)によって1822年に刊行されました。
明治以降からは現代にいたるまで、「菜根譚」の注釈書が数多く刊行され、重版を重ねています。前集が225、後集が134段落に分けられて解説されることが多いです。
菜根譚には、一人の著者が書いたとは思えないほどのいろいろなアイデアが掲載されています。菜根譚の考え方を少し学ぶといくつかの辛い経験が有意義な経験に変化します。菜根譚という「幸せメガネ」をかければ、悲しい出来事がちょっとだけ有意義な経験に変化するかもしれません。
構成について
題 結論を一言で表現しています。
起 原文は林孚尹「菜根譚」を底本としています。脱字は改訂しています。また、変換が困難な文字も現代文字に一部変更しています。読みは、加藤咄堂(加藤熊一郎)著「菜根譚 全釋」を参考にしています。
承 原文の解釈については、数種類の解説書を読むとわかりますが、解釈する人によりその内容が大きく変わることもあります。加藤咄堂著「菜根譚 全釋」、佐藤黄揚著「菜根譚詳解」など、下記の参考書籍を参照しながら、管理人が意訳しています。
転 本論とは別の視点から考察してみました。人により違和感を感じることもあるかと思いますが、ご容赦ください。特に10歳代、20歳代の若い世代の方には、反対意見もあるかと思いますが、こんな考え方もあるのだなあ、と感じていただけると嬉しいです。
結 (管理人の心の中での)結論です。著者・洪自誠さんの結論と、大きく異なることもあるかもしれません。ただ、著者自身は、短い文章の中でシンプルで美しい構成も考慮しているために、受け取る人間により解釈が複数可能なことも念頭に置いていると考えられます。
洪自誠さんが過ごした中国と現在の日本では、いろいろな社会情勢が異なります。ただ単に文章を読むだけでは、得られるものは少ないです。得られた考え方を自分の生き方にプラスになるように、”活学”となるようにしていきたいです。
参考書籍
「菜根譚」著者 洪自誠(本名は応明、自誠は字、道号は還初道人)
底本:
林孚尹(ふいん) 号蓀坡(はやしそんは)の重校した壬午重校本「菜根譚」1822年(京都大学附属図書館所蔵)
参考書籍:
加藤咄堂(加藤熊一郎)「菜根譚 全釋」大東出版社 1935年
佐藤黄揚「菜根譚詳解」興文書院 1932年
釈宗演「菜根譚講話」京文社書店 1933年
今井宇三郎「菜根譚」岩波文庫 1975年
参考サイト:
虚菴快山慧智(小林惠智)「菜根譚 超訳」