中庸之道

過ぎたるは及ばざるが如しです。どんなことでも極端なものはひずみを生じます。

後集101-120

後集119 良いことと悪いことは表裏一体

起 原文 子生而母危 鏹積而盗窺 何喜非憂也貧可以節用 病可以保身 何憂非喜也故達人當順逆一視而欣戚両忘 子生れて而ち母危うく、鏹積んで而ち盗窺ふ、何の喜びか憂いに非ざらん也貧を以って用を節すべく、病を以って身を保つ可し、何の憂いか喜びに非...
後集101-120

後集117 適度な忙しさ と 適度な思考に耽る時間

起 原文 人生太閒 則別念竊生 太忙則真性不現故士君子不可不抱身心之憂 亦不可不耽風月之趣 人生太だ閑なれば、則ち別念竊かに生じ、太だ忙なれば、則ち真性現れず故に士君子、身心の憂いを抱ざる不可、亦風月の趣に耽らざる不可 別念(べつねん)、妄...
後集081-100

後集091 心の状態は、自主性を持って中庸の状態で整えたい

起 原文 白氏云 不如放身心冥然任天造晁氏云 不如収身心凝然歸寂定放者流為猖狂 収者入於枯寂唯善操身心的 欛柄在手 収放自如 白氏云く、「身心を放ちて、冥然として天造に任すに如ず」晁氏云く、「身心を収めて、凝然として寂定に帰するに如ず」放者...
後集021-040

後集024 色欲に走り過ぎず、名利にこだわり過ぎず、中庸を歩む

起 原文 色慾火熾 而一念及病時 便興似寒灰名利飴甘 而一想到死地 便味如嚼蝋故人常憂死慮病 亦可消幻業而長道心 色慾火のごとく熾んなるも、而も一念病時に及べば、便ち興寒灰に似たり名利飴のごとく甘きも、而も一想死地に到らば、便ち味い嚼蝋の如...
後集001-020

後集017 仙人と俗人の両者の心を持って人生を楽しむ

起 原文 有浮雲冨貴之風而不必岩棲穴処無膏肓泉石之癖而常自酔酒耽詩 富貴を浮雲とするに風有りて而れども必ずしも岩棲穴処せず泉石に膏肓するの癖無くして而れども常に自ら酒に酔い詩に耽る 泉石(せんせき)に膏肓(こうこう)、山水を愛好する癖が病み...
前集201-220

前集210 仕事も、私生活も、周囲とは適度な距離感を保つ

起 原文 用人不宜刻刻則思効者去交友不宜濫濫則貢諛者来 人を用うるには、宜しく刻なるべからず刻なれば則ち、効を思う者は去らん友に交わるには、宜しく濫なるべからず濫なれば則ち、諛を貢する者来たらん 諛(ゆ)、人の気に入るようにふるまう、諂う ...
前集201-220

前集201 倹約も、謙虚な姿勢も、極端に走らないように

起 原文 儉美徳也過則為慳吝 為鄙嗇 反傷雅道譲懿行也過則為足恭 為曲謹 多出機心 倹は美徳なり過ぐれば則ち慳吝となり、鄙嗇となり、反って雅道を傷る譲は懿行なり過ぐれば則ち足恭となり、曲謹となり、多くは機心に出づ 慳吝(けんりん)、欲が深く...
前集181-200

前集198 極端な行動は控え、中庸の道を歩む

起 原文 處世 不宜與俗同 亦不宜與俗異作事 不宜令人厭 亦不宜令人喜 世に処しては、宜しく俗と同じうすべからず、亦宜しく俗と異なるべからず事を作すには、宜しく人をして厭はしむべからず、亦宜しく人をして喜ばしむべからず 承 意訳 世の中を渡...
前集161-180

前集178 節義や道学への信念は心の中に。周囲へのアピールはほどほどに。

起 原文 標節義者 必以節義受謗 榜道學者 常因道學招尤故君子不近悪事 亦不立善名 只渾然和氣 纔是居身之珍 節義を標する者は、必ず節義をもって謗を受け、道学を榜する者は、常に道学に因って尤を招く故に君子は、悪事に近づかず、また善名を立てず...
前集121-140

前集137 正しい信念・行動も、8分目に控える

起 原文 爵位不宜太盛太盛則危能事不宜盡畢盡畢則衰行誼不宜過髙過髙則謗興而毀来 爵位は宜しくはなはだ盛んなるべからずはなはだ盛んなれば則ち危し能事はことごとく畢るべからずことごとく畢れば則ち衰う行誼過ぎて高るべからず過ぎて高ければ則ち興りて...
前集121-140

前集134 一つの価値観ではなく、多面性を持った価値観を考慮

起 原文 有妍必有醜為之對我不誇妍 誰能醜我有潔必有汚為之仇我不好潔 誰能汚我 妍有れば必ず醜有って之が対為す我、妍に誇らずんば、誰か能く我を醜とせん潔有れば必ず汚有って之が仇を為す我、潔を好まずば、誰か能く我を汚さん 妍(けん)、美しいこ...
前集121-140

前集129 思慮深さと未来への推察はバランスよく心に持つ

起 原文 害人之心不可有 防人之心不可無 此戒疎於慮也寧受人之欺 毋逆人之詐 此警傷於察也二語竝在 精明而渾厚矣 人を害するの心は有るべからず、人を防ぐの心は無かるべからず、此れ慮りに疎きを戒むる(いましむる)なり寧ろ人の欺きを受くるも、人...
前集121-140

前集123 心の中は、緩急両者をバランス良く保つ

起 原文 念頭昏散處 要知提醒念頭喫緊時 要知放下不燃恐去昏昏之病 又来憧憧之擾矣 念頭昏散の処は、提醒を知らんことを要す念頭喫緊の時は、放下を知らんことを要すしからざれば、恐らくは昏昏の病を去って、また憧憧の擾を来さん 念頭、心、胸のうち...
前集101-120

前集104 美味しいもの、楽しいことは、腹五分目くらいに

起 原文 爽口之味 皆爛腸腐骨之薬五分便無殃快心之事 悉敗身喪徳之媒五分便無悔 爽口の味は、皆爛腸腐骨の薬なり五分なれば、すなわち禍いなし快心の事は、悉く敗身喪徳の媒なり五分なれば、すなわち悔いなし 爽口(そうこう)、さっぱりとして口当たり...
前集081-100

前集083 理想的な行動でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」

起 原文 清能有容 仁能善斷明不傷察 直不過矯是謂蜜餞不甜 海味不鹹 纔是懿徳 清にしてよく容るること有り、仁よく断を善くす明は察を傷つけず、直にして矯に過ぎず是を蜜餞甘からず、海味鹹ならずという、わずかに是れ懿徳なり 蜜餞(みつせん)、蜜...
前集081-100

前集081 完璧を求めず、中庸の道を歩む

起 原文 氣象要髙曠 而不可疎狂心思要縝密 而不可瑣屑趣味要冲淡 而不可偏枯操守要嚴明 而不可激烈 気象は髙曠なるを要す、しかも疎狂なるべからず心思は縝密なるを要す、しかも瑣屑なるべからず趣味は冲淡なるを要す、しかも偏枯なるべからず操守は厳...
前集061-080

前集061 学を志す者は一片の人間味あふれるユーモアを持つ

起 原文 學者有段兢業的心思 又要有段瀟洒的趣味若一味斂束清苦 是有秋殺無春生何以發育萬物 学者、段の競業的の心思有り、又段の瀟洒的の趣味あることを要すもし一味斂束清苦ならば、これ秋殺有って春生無きなり何を以てか万物を発育せん 段,一片の;...
前集041-060

前集053 過度な期待をすると、必ず裏切られる

起 原文 人之際遇 有齊有不齊 而能使己獨齊乎己之情理 有順有不順 而能使人皆順乎以此相觀對治 亦是一方便法門 人の際遇は、ひとしき有り、ひとしからざる有り、しかも能く己をして独りひとしからしめんか己の情理は、順なる有り、順ならざる有り、し...
前集041-060

前集050 他人には寛大さと厳格さ両者で臨機応変に対応

起 原文 處治世宜方 處乱世宜圓處叔季之世 當方圓並用待善人宜寛 待悪人宜嚴待庸衆之人 當寛嚴互在 治世に処するには宜しく「方」なるべく、乱世に処するには宜しく「円」なるべく叔季の世を処するには、当に方円並び用うべし善人を待するには宜しく「...
前集021-040

前集036 小人には適度な厳しさで、君子には適度の礼を

起 原文 待小人 不難於嚴 而難於不悪待君子 不難於恭 而難於有禮 小人を待つは厳に難からず、しかもにくまざるに難し。君子を待つは恭に難からず、しかも礼有るに難し。 待、待遇すること;恭、うやうやしいこと 承 意訳 小賢しい小人に対して厳し...
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