古代中国の君子と言われる立場、組織のトップなど、指導的な立場になったときに考慮しておくと良い考えです。
後集123 個性を育てるような教育を
起 原文 山肴不受世間潅漑 野禽不受世間拳養 其味皆香而且冽吾人能不為世法所點染 其臭味不迥然別乎 山肴は世間の潅漑を受けず、野禽は世間の拳養を受けず、其の味皆香しくして且つ冽なり吾人能く世法に点染せられざれば、其の臭味、迥然として別ならず...
前集209 心が穏やかで、気持ちが平静な人の元に人々は集まります
起 原文 性燥心粗者 一事無成心和氣平者 百福自集 性燥き、心粗なる者は、一事も成すこと無し心和ぎ、気平らかなる者は、百福自ずから集まる 承 意訳 性格が無味乾燥していて、心持ちが大雑把な者は、一つも物事を成就することはありません 心が穏や...
前集206 どんな時でも冷静に対処する
起 原文 冷眼觀人 冷耳聴語 冷情當感 冷心思理 冷眼にて人を観、冷耳にて語を聴き、冷情にて感に当り、冷心にて理を思ふ 承 意訳 冷静な視線で人の善悪を観察し、冷静な耳で人の言葉を判断し、冷ややかな情に利害を考え、心冷ややかに道理を考慮する...
前集200 人の上に立つ者は、聡明さを強調せず、才華は控えめに
起 原文 鷹立如睡 虎行似病正是他攫人噬人手段處故君子 要聰明不露 才華不逞纔有肩鴻任鉅的力量 鷹立ちて睡るが如く、虎行くこと病むに似たり正に是れ他の人を攫み、人を噬む手段の処なり故に君子は、聡明を露わさず、才華を逞しくせざるを要す纔かに肩...
前集196 独りよがりな指導ではなく、人々が馴染みやすい中庸の指導を考慮
起 原文 山之髙峻處無木 而谿谷廻環 則草木叢生水之湍急處無魚 而渕潭停蓄 則魚鼈聚集此髙絶之行 褊急之衷 君子重有戒焉 山の高峻なる処には木無し、而して谿谷廻環すれば、草木叢生す水の湍急なる処には魚無し、而して渕潭停蓄すれば、魚鼈聚集す此...
前集188 目的達成のためには、広い視野と大きな度量が必要
起 原文 持身不可太皎潔一切汚辱垢穢 要茹納得與人不可太分明一切善悪賢愚 要包容得 身を持するは、太だ皎潔なるべからず一切の汚辱垢穢は、茹納し得んことを要す人に与するは、太だ分明なるべからず一切の善悪賢愚は、包容し得んことを要す 皎潔(こう...
前集179 人を指導するときは、相手の性格に応じた指導方法を考える
起 原文 遇欺詐的人 以誠心感動之遇暴戻的人 以和氣薫蒸之遇傾邪私曲的人 以名義氣節激礪之天下無不入我陶冶中矣 欺詐的の人に遇はば、誠心を以って之を感動させ暴戻的の人に遇はば、和気を以って之を薫蒸せしめ傾邪私曲の人に遇はば、名義気節を以て之...
前集177 自己には厳しく・対外的には穏和で、しかし悪人には油断しないように
起 原文 士君子 處權門要路 操履要嚴明 心氣要和易毋少随而近腥羶之党 亦毋過激而犯蜂蠍之毒 士君子、権門要路に処れば、操履は厳明なるを要し、心気は和易なるを要す少しく随うて腥羶の党に近づく毋れ、亦過激にして蜂蠍の毒を犯す毋れ 権門要路(け...
前集161 道徳を説くときは相手に合わせて説く、学問はその場その場で教育する
起 原文 道是一重公衆物事 當随人而接引學是一個尋常家飯 當随事而警惕 道は是れ一重の公衆の物事なり、当に人に随いて接引すべし学は是れ一個の尋常家飯なり、当に事に随いて警惕すべし 一重(いっちょう)、そのものだけであること。重ならないである...
前集153 誰かに何かをしてほしいときは、相手が理解するまでゆっくりと待つ忍耐が必要
起 原文 事有急之不白者 寛之或自明毋躁急以速其忿人有操之不従者 縦之或自化毋操切以益其頑 事、之れを急にして白らかならざる者有り、之を寛にせば、或いは自ら明らかならん躁ぎ急ぎを以て其の忿りをまねくこと毋れ人、之を操りて従わざる者有り、之を...
前集148 一時期の地位や財産は意味がなく、代々継続する思考回路をこそ重宝すべき
起 原文 事業文章 随身銷毀 而精神萬古如新㓛名冨貴 逐世転移 而氣節千載一日君子信不當以彼易此也 事業文章は、身に随いて銷毀す 而も精神は万古に新たなるが如し功名富貴は、世を逐いて転移す 而も気節は千載一日なり君子、信に、当に彼を以て此に...
前集144 指導者たるものは、冷静な視点を持ち、信念は簡単に曲げない
起 原文 君子宜當浄拭冷眼慎勿輕動剛腸 君子は宜しく当に冷眼を浄拭すべし慎しんで軽々しく剛腸を動かす勿れ 浄拭(じょうしょく)、キレイに拭うこと;剛腸(ごうちょう)、精神などが強くたくましいこと 承 意訳 君子たるものは常に冷静な視線を保つ...
前集136 客観的な評価は明確に、感情的な評価は曖昧に
起 原文 㓛過不容少混混則人懐惰堕之心恩仇不可大明明則人起携弐之志 㓛過は少しも混すべからず混すれば則ち人惰堕の心を懐く恩仇は大いに明らかにすべからず明らかにすれば則ち人携弐の志を起す 惰堕(だたい)、生活が乱れること、落ちぶれること;携弐...
前集130 自己を確立し、柔軟性を持ち、私情を挟まずに大局を見る
起 原文 毋因群疑而阻獨見毋任己意而癈人言毋私小惠而傷大體毋借公論以快私情 群疑に因って獨見を阻むることなかれ己の意に任せて人言を廃することなかれ小恵を私して大體をやぶることなかれ公論を借りて以て私情を快くすることなかれ 大體(だいたい)、...
前集117 組織のトップは、時代を先読みする努力が必要
起 原文 衰颯的景象 就在盛滿中發生的機緘 即在零落内故君子 居安宜操一心以慮患處變當堅百忍以圖成 衰颯的の景象は、すなわち盛満の中に在り発生的の機緘は、すなわち零落の内に在り故に君子は、安きに居ては宜しく一心を操って以って患いを慮るべし変...
前集114 英雄は、小事を大切に、陰徳を積み、強いハートを持つ
起 原文 小處不滲漏 暗中不欺隠 末路不怠荒纔是個真正英雄 小処滲漏せず、暗中欺隠せず、末路怠荒せずわずかに是れ個の真正の英雄なり 滲漏(しんろう)、液体が外ににじみ出ること;末路、人生のどん底のような状態;怠荒(たいこう)、怠けてだらしな...
前集106 心の中は自由自在、実際の行動は熟考を重ねて
起 原文 士君子 持身不可輕輕則物能撓我 而無悠閒鎮定之趣用意不可重重則我為物泥 而無瀟洒活溌之機 士君子、身を持するには軽々しくすべからず軽々しくすれば則ち物よく我れを撓めて、悠閒鎮定の趣なし意を用いるには重々しくすべからず重々しくすれば...
前集103 功名富貴からの束縛から自由になり、自分の本心を見直す
起 原文 以幻迹言 無論㓛名冨貴 即肢體亦属委形以真境言 無論父母兄弟 即萬物皆吾一體人能看得破 認得真 纔可任天下之負担 亦可脱世間之韁銷 幻迹を以て言えば、功名富貴を論ずるなく、即ち肢体もまた委形に属す真境を以て言えば、父母兄弟を論ずる...
前集095 学問を修めた人は、高い徳で行動すべき
起 原文 君子而詐善 無異小人之肆悪君子而改節 不及小人之自新 君子にして善を詐るは、小人の悪をほしいままにするに異なるは無し君子にして節を改むるは、小人の自ら新たにするに及ばず 改節、節操(自分の信じる主義・主張)を変更すること 承 意訳...
前集082 物事の対処には、静動のメリハリをつける
起 原文 風来疎竹 風過而竹不留聲雁度寒潭 雁去而潭不留影故君子 事来而心始現 事去而心随空 風疎竹に来る、風過ぎて竹声を留めず雁寒潭をわたる、雁、去りて潭、影を留めず故に君子、事来りて心始めて現れ、事去りて心随って空し 疎竹(そちく)、ま...