後集101-120

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後集120 心の雑念を捨てる

起 原文 耳根似颷谷投響 過而不留 則是非倶謝心境如月池浸色 空而不着 則物我両忘 耳根は颷谷の響きを投ずるに似たり過ぎて而して留め不れば、則ち是非倶に謝す心境は月池の色を浸すが如し空而して着せ不れば、則ち物我両忘す 耳根(じこん)、耳の根...
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後集119 良いことと悪いことは表裏一体

起 原文 子生而母危 鏹積而盗窺 何喜非憂也貧可以節用 病可以保身 何憂非喜也故達人當順逆一視而欣戚両忘 子生れて而ち母危うく、鏹積んで而ち盗窺ふ、何の喜びか憂いに非ざらん也貧を以って用を節すべく、病を以って身を保つ可し、何の憂いか喜びに非...
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後集118 心を澄まして、自分の心の真理を考察する

起 原文 人心多従動処失真若一念不生 澄然静坐雲興而悠然共逝 雨滴而冷然倶清鳥啼而欣然有會 花落而瀟然自得何地非真境 何物無真機 人心多く動処より真を失ふ若し一念生ぜず、澄然として静坐せば雲興って悠然として共に逝き、雨滴りて冷然として倶に清...
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後集117 適度な忙しさ と 適度な思考に耽る時間

起 原文 人生太閒 則別念竊生 太忙則真性不現故士君子不可不抱身心之憂 亦不可不耽風月之趣 人生太だ閑なれば、則ち別念竊かに生じ、太だ忙なれば、則ち真性現れず故に士君子、身心の憂いを抱ざる不可、亦風月の趣に耽らざる不可 別念(べつねん)、妄...
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後集116 あるがままの本質を見つめて、ストレスレスな時の過ごし方をする

起 原文 就一身了一身者 方能以萬物付萬物還天下於天下者 方能出世間於世間 一身に就いて一身を了する者、方めて能く万物を以って万物に付す天下を天下に還す者、方めて能く世間を世間に出す 了する、悟る 承 意訳 我が身一身を悟り了した人であって...
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後集115 何事にも主体性を持って

起 原文 無風月花柳 不成造化無情欲嗜好 不成心體只以我転物 不以物役我 則嗜慾莫非天機 塵情即是理境矣 風月花柳無ければ、造化を成さず情欲嗜好無ければ、心体を成さず只我を以って物を転じ、物を以って我を役せざれば、則ち嗜慾も天機に非ざるは莫...
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後集114 心を広く持って、物事の本質を理解する

起 原文 心曠則萬鐘如瓦缶 心隘則一髪似車輪 心曠ければ、則ち万鐘も瓦缶の如く、心隘ければ、一髪も車輪に似たり 万鐘(ばんしょう)、鐘は升目の秤で、大禄;瓦缶(がふ)、土器の甕(かめ)。ほとぎ。「缶」は酒などを入れる腹部の膨らんだふたつきの...
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後集113 静かな環境、自然の中で、趣味に没頭

起 原文 登髙使人心曠 臨流使人意遠讀書於雨雪之夜 使人神清 舒嘯於丘阜之嶺 使人興邁 高きに登れば、人をして心曠からしむ、流れに臨めば、人をして意遠からしむ書を雨雪の夜に読めば、人をして神清からしむ、嘯を丘阜の嶺に舒ぶれば、人をして興邁か...
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後集112 小さな良さに気づくには、心を清く保つ

起 原文 雨餘觀山色 景象便覺新妍夜静聴鐘聲 音響尤為清越 雨余に山色を観れば、景象便ち新妍を覚ゆ夜静かに鐘声を聴けば、音響尤も清越と為す 雨余(うよ)、雨あがり;新妍(しんけん)、新鮮な美しさ 承 意訳 雨あがりに山色を観れば、景観が新鮮...
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後集111 盛者必衰の理

起 原文 草木纔零落 便露萠穎於根底時序雖凝寒 終回陽氣於飛灰粛殺之中 生生之意 常為之主即是可以見天地之心 草木纔に零落すれば、便ち萠穎を根底に露す時序凝寒と雖も、終に陽気を飛灰に回す粛殺の中、生々の意、常に之が主となる即ち是れを以って天...
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後集110 周囲の環境は、自分の心の持ち方次第

起 原文 機息時 便有月到風来 不必苦海人世心遠処 自無車塵馬迹 何須痼疾丘山 機息む時、便ち月に到り風来たる有り、必ずしも苦海の人世ならず心遠き処、自ら車塵馬迹無し、何ぞ痼疾の丘山を須いん 痼疾(こしつ)、久しく治らない疾患、凝り固まった...
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後集109 自分を磨くことに専心する

起 原文 縄鋸木斷 水滴石穿学道者須加力索水到渠成 瓜熟蔕落得道者一任天機 繩鋸も木断ち、水滴も石穿つ道を学ぶ者は、須らく力索を加うべし水到ればに渠成り、瓜熟せば蔕を落つ道を得る者、一に天機に任す 繩鋸(じょうきょ)、つるべの縄が鋸のように...
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後集108 前提となる価値観により、幸不幸は変化する

起 原文 人生福境禍区 皆念想造成故釋氏云利欲熾然 即是火坑 貪愛沈溺 便為苦海一念清浄 烈焔成池 一念警覺 船登彼岸念頭稍異 境界頓殊可不慎哉 人生の福境禍区は、皆念想より造成す故に釈氏云う「利欲の熾然ならば、即ち是れ火坑、貪愛に沈溺すれ...
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後集107 無心になると、相手から近づいてくることもある

起 原文 興逐時来 芳草中撒履閒行 野鳥忘機時作伴景與心會 落花下披襟兀坐 白雲無語漫相留 興、時を逐いて来れば、芳草の中、履を撒いで閒行す、野鳥機を忘れて時に伴と作る景、心と会して、落花の下、襟を披いて兀坐す、白雲語を無く漫に相留まる 閒...
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後集106 大自然に触れる時間を長くとる

起 原文 山居胸次清洒 觸物皆有佳思見孤雲野鶴 而起超絶之想 遇石澗流泉 而動澡雪之思撫老檜寒梅 而勁節挺立 侶沙鷗麋鹿 而機心頓忘若一走入塵寰 無論物不相関 即此身亦属贅旒夷 山居すれば、胸次清洒にして、物に触れて皆佳思有り孤雲野鶴を見て...
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後集105 目標 と 手段 を客観的に選択

起 原文 喜寂厭喧者 往往避人以求静不知 意在無人便成我相 心着於静便是動根如何到得人我一視 動静両忘的境界 寂を喜び喧を厭う者は、往々にして人を避けて以って静を求む意、人無きに在らば、便ち我相を成し、心、静に着せば、便ち是れ動根なるを知ら...
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後集104 未熟な間は清い環境、自分が確立したら社会に還元

起 原文 把握未定 宜絶迹塵囂使此心不見可欲而不乱 以澄吾静體操持既堅 又當混迹風塵使此心見可欲而亦不乱 以養吾圓機 把握未だ定まざれば、宜しく迹を塵囂に絶つべし此の心を欲すべきを見ずして、乱れざらしめ、以って吾が静體を澄ます操持既に堅けれ...
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後集103 何事にも執着しない

起 原文 笙歌正濃処 便自払衣長往 羨達人撒手懸崕更漏已殘時 猶然夜行不休 咲俗士沈身苦海 笙歌正に濃やかなる処、便ち自ら衣を払いて長く往く達人の手を懸崕に撒ずるを羨む更漏已に残る時、猶然として夜行きて休まず俗士の身を苦海に沈むるを咲う 笙...
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後集102 相手に何かを伝える方法は、いろいろ

起 原文 心無其心 何有於觀釋氏曰觀心者 重増其障物本一物 何待於齊荘生曰齊物者 自剖其同 心に其の心無ければ、何ぞ観に有らん釈氏「心を観ず」と曰う者は、重ねて其の障を増す物は本一物なり、何ぞ斉しくするを待たん荘生「物を斉しくせよ」と曰う者...
後集101-120

後集101 重要ではない事象に関しては、「接点なし」と割り切る

起 原文 田父野叟語以黄鶏白酒 則欣然喜 問以鼎養食 則不知語以藥袍裋褐 則油然樂 問以袞服 則不識其天全 故其欲淡 此是人生第一個境界 田父野叟は語るに黄鶏白酒を以ってすれば、則ち欣然として喜び、問うに鼎養を以ってすれば、則ち知らず語るに...
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