ゆず

後集041-060

後集054 穏やかで、風流な時間を楽しもう!

起 原文 讀易暁窓 丹砂研松間之露談経午案 寶磬宣竹下之風 易を暁窓に読みて、丹砂を松間の露に研く経を午案に譚りて、宝磬を竹下の風に宣ぶ 暁窓(ようそう)、静かな朝の窓辺;丹砂(たんさ)、朱墨;午案(ごあん)、午後;宝磬(ほうけい)、石で作...
後集041-060

後集053 無理に富を求めようとはせず、清貧の暮らしを楽しむ

起 原文 多藏者厚亡故知冨不如貧之無慮髙歩者疾顛故知貴不如賤之常安 多く蔵する者は、厚く亡ふ故に富は貧の慮り無きに如ざるを知る高く歩む者は、疾く顛る故に、貴は賤の常に安きに如かざるを知る 慮り、おもんばかり、心配;疾(はや)く顛(たよ)る、...
後集041-060

後集052 広い視野で長い時代の流れを感じながら

起 原文 欲其中者 波沸寒潭 山林不見其寂虗其中者 凉生酷暑 朝市不知其喧 其の中を欲にする者は、波、寒潭に沸き、山林もその寂を見ず其の中を虚にする者は、凉、酷暑に生じ、朝市も其の喧を知らず 寒潭(かんたん)、冷たく澄んだ淵;朝市(ちょうし...
後集041-060

後集051 肉体の衰えは嘆くよりは、今を楽しく生きよう

起 原文 髪落歯疎 任幻形之彫謝鳥吟花咲 識自性之真如 髪落ち歯疎らにして、幻形の彫識するに任せる鳥吟じ花咲いて、自性の真如を識る 幻形(げんけい)、幻しの肉体;彫識(ちょうしゃ)、しぼみ滅びる;自性(じしょう)、本性、そのものが持っている...
後集041-060

後集050 自分の価値観は大自然の摂理に反していないのか?

起 原文 人情聴鶯啼則喜 聞蛙鳴則厭見花則思培之 遇草則欲去之但是以形氣用事若以性天視之 何者非自鳴其天機 非自暢其生意也 人情は、鴬の啼くを聴けば則ち喜び、蛙の鳴くを聞けば則ち厭う花を見れば則ち之れを培わんことを思い、草に遇えば則ち之を去...
後集041-060

後集049 あるがままを楽しむ日々是好日

起 原文 身如不繋之舟 一任流行坎止心似既灰之木 何妨刀割香塗 身は不繋の舟の如く、一に流行坎止に任す心は既灰の木に似ば、何ぞ刀割香塗を妨げん 不繋の舟、繋がざる舟;流行坎止(りゅうこうかんし)、流れては行き、淵に嵌っては止まる;刀割香塗(...
後集041-060

後集048 周囲をどう感じるかは、自分の心の持ち方次第

起 原文 機動的 弓影疑為蛇蝎 寝石視為伏虎此中渾是殺氣念息的 石虎可作海鷗 蛙聲可當鼓吹 觸処倶見真機 機動く的は、弓影も疑いて蛇蝎と為し、寝石も視て伏虎と為す此中渾て是れ殺気なり念息む的は、石虎も海鷗と作し、蛙声も鼓吹に当つべし触るる処...
後集041-060

後集047 外見にとらわれずに、物事の本質を見極める

起 原文 一字不識 而有詩意者 得詩家真趣一偈不参 而有禪味者 悟禪教玄機 一字をも知らずして、而も詩意有る者は、詩家の真趣を得る一偈にも参せずして、而も禅味有る者は、禅教の玄機を悟る 詩意(しい)、詩心、詩情;一偈(いちげ)、禅の妙趣を述...
後集041-060

後集046 秋の美しさを十分に満喫しよう!

起 原文 春日氣象繁華 令人心神駘蕩不若秋日雲白風清 蘭芳桂馥 水天一色 上下空明 使人神骨倶清也 春日は気象繁華なり、人をして心神駘蕩ならしむ秋日は雲白く、風清し、蘭芳しく桂馥い、水天一色、上下空明にして、人をして神骨倶に清らかならしむに...
後集041-060

後集045 大自然を肌で感じ、芸術をゆっくりと鑑賞する

起 原文 徜徉於山林泉石之閒 而塵心漸息夷猶於詩書圖画之内 而俗氣潜消故 君子雖不玩物喪志 亦常借境調心 山林泉石の閒に徜徉して、而ち塵心漸く息む詩書図画の内に夷猶せば、而ち俗気潜かに消す故に君子、物を玩びて志を喪わずと雖も、亦常に境を借り...
後集041-060

後集044 足るを知れば、穏やかな幸せがやって来る

起 原文 我不希栄 何憂乎利禄之香餌我不競進 何畏乎仕官之危機 我栄を希はざれば、何ぞ利祿の香餌を憂へん我進を競はずんば、何ぞ仕官の危機を畏れん 承 意訳 繁栄を望むことをやめれば、高報酬の誘惑には心動かされることはない 昇進を競うことをや...
後集041-060

後集043 自分を含めたいろいろな事象を広い視野で観察する

起 原文 竹籬下 忽聞犬吠鶏鳴 恍似雲中世界芸窓中 雅聴蝉吟鴉噪 方知静裡乾坤 竹籬の下、忽ち犬吠え鶏鳴くを聞けば、恍として雲中の世界に似たり芸窓の内、雅に蝉吟き鴉噪ぐを聴けば、方に静裡の乾坤を知る 竹籬(ちくり)、竹垣;芸窓(げいそう)、...
後集041-060

後集042 心も身体も余裕を持つように

起 原文 此身常放在閒処 栄辱得失 誰能差遺我此心常安在静中 是非利害 誰能瞞昧我 此の身 常に閒処に放在せば、栄辱得失 誰か能く我を差遺せん此の心 常に静中に安在せば、是非利害 誰か能く我を瞞昧せん 差遺(さけん)、公の使者として派遣する...
後集041-060

後集041 活き活きと自分の人生を楽しむ

起 原文 出世之道 即在渉世中 不必絶人以逃世了心之㓛 即在盡心内 不必絶欲以灰心 出世の道は、即ち世を渉る中に在り、必ずしも人を絶ち以て世を逃れず了心の功は、即ち心を尽す内に在り、必ずしも欲を絶ち以て心を灰にせず 出世の道、俗世間を出離す...
後集021-040

後集040 シンプルに本質を表現すると、美しく光り輝く

起 原文 袞冕行中 着一藜杖的山人 便増一段髙風漁樵路上 著一袞衣的朝士 転添許多俗氣固知濃不勝淡 俗不如雅也 袞冕の行中に、一の藜杖的の山人を着くれば、便ち一段の高風を増す漁樵の路上に、一の袞衣の朝士を著くれば、転た許多の俗気を添う固に知...
後集021-040

後集039 自然に触れて、それを楽しむ

起 原文 蘆花被下 臥雪眠雲 保全得一窩夜氣竹葉杯中 吟風弄月 躱離了萬丈紅塵 盧花被の下、雪に臥し雲に眠れば、一窩の夜気を保全し得竹葉杯の中、風に吟じ月を弄べば、万丈の紅塵を躱離し了る 盧花(ろか)被(ひ)、葦の穂を綿の代わりに入れた薄い...
後集021-040

後集038 心の余裕が、記憶を含めた人間の能力を左右する

起 原文 時當喧雑 則平日所記憶者 皆漫然忘去境在清寧 則夙昔所遺忘者 又恍爾現前可見静躁稍分 昏明頓異也 時、喧雑に当れば、則ち平日記憶する所の者も、皆漫然として忘れ去る境、清寧に在れば、則ち夙昔遺忘する所の者も、又恍爾として前に現わる見...
後集021-040

後集037 あるがままを楽しむ心の余裕がほしい

起 原文 山林是勝地 一営恋便成市朝書画是雅事 一貪痴便成商賈葢心無染着 欲界是仙都心有係恋 樂境成苦海矣 山林は是れ勝地なり、一たび営恋すれば、便ち市朝と成る書画は是れ雅事なり、一たび貪癡すれば、便ち商賈と成る蓋し、心に染著無ければ、欲界...
後集021-040

後集036 自分の心の中は、自分でコントロールする

起 原文 水流而境無聲 得処喧見寂之趣山髙而雲不碍 悟出有入無之機 水流れて境に声無し、喧に処して寂を見るの趣を得る山高くして雲碍げず、有を出で無に入るの機を悟る 承 意訳 大河においては水が流れていても、周辺には音がしないように感じられる...
後集021-040

後集035 平凡・平易な日常にこそ、価値がある

起 原文 禪宗曰 饑来喫飯倦来眠詩旨曰 眼前景致口頭語葢極髙寓於極平 至難出於至易 有意者反遠 無心者自近也 禅宗に曰く、「饑え来たれば飯を喫し、倦来たれば眠る」と詩旨に曰く、「眼前の景致、口頭の語」と蓋し、極高は極平に寓し、至難は至易に出...
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