ゆず

後集061-080

後集074 物欲を滅し、自分の生き方を素直に考える

起 原文 胸中既無半點物欲 已如雪消炉焔氷消日眼前自有一段空明 時見月在青天影在波 胸中既に半点の物欲無ければ、已に雪の炉焔に消え、氷の日に消ゆるが如し眼前自ら一段の空明有れば、時に月青天に在り、影波に在るを見る 半点(はんてん)、一点の半...
後集061-080

後集073 世俗的な欲望を捨て、自然と共に悠々と過ごす

起 原文 覊鎖於物欲 覺吾生之可哀夷猶於性真 覺吾生之可樂知其可哀 則塵情立破知其可樂 則聖境自臻 物欲に覊鎖すれば、吾が生の哀しむべきを覚ゆ性真に夷猶すれば、吾が生の楽しむべきを覚ゆ其の哀しむべきを知れば、則ち塵情は立ちどころに破る其の楽...
後集061-080

後集072 冷静な視点と思考回路を持つ

起 原文 權貴竜驤 英雄虎戦以冷眼視之 如蟻聚羶 如蠅競血是非蜂起 得矢蝟興以冷情當之 如冶化金 如湯消雪 権貴竜驤し、英雄虎戦す冷眼を以て之を視れば、蟻の羶に聚るが如く、蠅の血に競ふが如し是非蜂起し、得矢蝟興す冷情を以て之に当れば、冶の金...
後集061-080

後集071 足るを知り、周囲との協調を考える

起 原文 纔就筏 便思舎筏 方是無事道人若騎驢 又復覓驢 終為不了禪師 纔かに筏に就いて、便ち筏を舎つるを思ふ、方に是れ無事の道人なり若し驢に騎りて又復驢を覓めれば、終に不了の禅師と為る 纔(わず)かに、ようやく;筏、いかだ;驢(ろ)、驢馬...
後集061-080

後集070 小さな執着心を捨て、大きな視野を持つ

起 原文 寵辱不驚 閒看庭前花開花落去留無意 漫随天外雲巻雲舒晴空朗月 何天不可翺翔 而飛蛾獨投夜燭清泉緑卉 何物不可飲啄 而鴟鴞偏嗜腐鼠噫 世之不為飛蛾鴟鴞者 幾何人哉 寵辱に驚かず、閑かに庭前の花開き花落つるを看る去留に意無く、漫ろに天...
後集061-080

後集069 自分の中の価値観に従って悔いのない時間を過ごす

起 原文 狐眠敗砌 兎走荒台 盡是當年歌舞之地露冷黄花 煙迷衰草 悉属旧時爭戦之場盛衰何常 強弱安在念此令人心灰 狐敗砌に眠り、兎荒台を走る、尽く是れ当年の歌舞の地なり露黄花に冷やかで、煙は衰草に迷う、悉く旧時争戦の場に属す盛衰何ぞ常あらん...
後集061-080

後集068 物塁を避けながら、楽しく生きていきたい

起 原文 魚得水逝 而相忘乎水鳥乗風飛 而不知有風識此可以超物累 可以樂天機 魚は、水を得て逝き、而も水に相忘る鳥は、風に乗りて飛び、而も風有るを知らず此を識らば、以て物累を超へ、以て天機を楽しむべし 逝(ゆ)き、泳ぎ回り;物累(ぶつるい)...
後集061-080

後集067 瓢々悠々の生活

起 原文 峩冠大帯之士 一旦睹輕蓑小笠飄飄然逸也 未必不動其咨嗟長筵廣席之豪 一旦遇疎簾浄几悠悠焉静也 未必不増其綣恋人奈何駆以火牛 誘以風馬 而不思自適其性哉 峨冠大帯の士、一旦、軽蓑小笠の飄々然として逸するを睹るや、未だ必ずしも其の咨嗟...
後集061-080

後集066 穏やかさと慈愛の心を持つ

起 原文 心地上無風濤 随在皆青山緑樹性天中有化育 觸処見魚躍鳶飛 心地の上に風濤無ければ、在るに随いて、皆青山緑樹なり性天の中に化育有れば、処に触れて、魚躍り鳶飛ぶを見る 心地(しんじ)、心;風濤(ふうとう)、風と波;在るに随い、随所、至...
後集061-080

後集065 ヒトの心は変幻自在で、予測困難

起 原文 眼看西晉之荊榛 猶矜白刄身属北邙之狐兎 尚惜黄金語云 猛獣易伏 人心難降谿壑易塡 人心難滿信哉 眼に西晉の荊榛を看、猶白刄を矜る身は北邙の狐兎に属して、向黄金を惜む語云う、「猛獣は伏し易すく、人心は降し難し谿壑は塡め易く、人心は満...
後集061-080

後集064 心に余裕を持って、大自然の素晴らしさを自覚する

起 原文 林間松韻 石上泉聲 静裡聴来 識天地自然鳴佩草際煙光 水心雲影 閒中觀去 見乾坤最上文章 林間の松韻、石上の泉声、静裡に聴き来れば、天地自然の鳴佩を識る草際の煙光、水心の雲影、閑中に観去れば、乾坤最上の文章を見る 松韻(しょういん...
後集061-080

後集063 自分の考えを持ち、周囲に流されないように

起 原文 古徳云 竹影掃堦塵不動月輪穿沼水無痕吾儒云 水流任急境常静花落雖頻意自閒人常持此意 以応事接物 身心何等自在 古徳云う、「竹影、堦を掃うも、塵動かず」「月輪、沼を穿つも、水に痕なし」吾が儒云う、「水流、急に任せて、境常に静かなり」...
後集061-080

後集062 「永遠に何かが続くことはない」と悟る

起 原文 知成之必敗 則求成之心 不必太堅知生之必死 則保生之道 不必過勞 成の必ず敗るるを知れば、則ち成を求むる心、必ずしも太だ堅からず生の必ず死するを知れば、則ち生を保つの道、必ずしも過労ならず 承 意訳 成功していてもいつか必ず失敗す...
後集061-080

後集061 身も心も大自然の赴くに任せる

起 原文 簾櫳髙敞 看青山緑水呑吐雲煙 識乾坤之自在竹樹扶疎 任乳燕鳴鳩送迎時序 知物我之両忘 簾櫳高敞、青山緑水の雲煙を呑吐するを看て、乾坤の自在なるを識る竹樹扶疎、乳燕鳴鳩の時序を送迎するに任せて、物我の両つながら忘るるを知る 簾櫳(れ...
後集041-060

後集060 あるがままの日常を楽しむ

起 原文 有一樂境界 就有一不樂的相對待有一好光景 就有一不好的相乗除只是尋常家飯 素位風光 纔是個安樂的窩巣 一の楽境界有れば、就ち一の不楽的の相対待する有り一の好光景有れば、就ち一の不好的の相乗除する有り只是れ尋常の家飯、素位の風光のみ...
後集041-060

後集059 熱い心と冷静な視点を持つ

起 原文 熱閙中 着一冷眼 便省許多苦心思冷落処 存一熱心 便得許多真趣味 熱閙の中、一の冷眼を着くれば、便ち許多の苦心の思を省く冷落の処、一の熱心を存せば、便ち許多の真の趣味を得る 熱閙(ねつどう)、多事多忙、心が迷う忙しい時;許多(きょ...
後集041-060

後集058 周囲の価値観に左右されず、自分の価値観を持つ

起 原文 人情世態 倐忽萬端 不宜認得太真堯夫云 昔日所云我 而今却是伊不知今日我又属後来誰人常作是觀 便可解却胸中罥矣 人情世態、倏忽万端、宜しく認め得て太だ真なるべからず堯夫云う、「昔日我と云う所、而今却って是れ伊(かれ)なり今日の我は...
後集041-060

後集057 少し距離を置いた視点で自分を振り返る

起 原文 自老視少 可以消奔馳角逐之心自瘁視栄 可以絶紛華靡麗之念 老自り少を視れば、以て奔馳角逐の心を消すべし瘁自り栄を視れば、以て紛華靡麗の念を絶つべし 奔馳角逐(ほんちかくろう)、功名を駆け回り、追いかけること;紛華靡麗(ふんかびれい...
後集041-060

後集056 貪欲と煩悩は表裏一体

起 原文 世人只縁認得我字太真故多種種嗜好 種種煩悩前人云 不複知有我 安知物為貴又云 知身不是我 煩悩更何侵真破的之言也 世人、只我の字を認め得ること太だ真なるに縁る故に種々の嗜好、種々の煩悩多し前人云う、「複我有ることを知らず、安んぞ物...
後集041-060

後集055 生活の中に大自然の要素を取り込もう

起 原文 花居盆内 終乏生機 鳥入籠中 便減天趣不若山間花鳥 錯雑成文 翺翔自若 自是悠然會心 花、盆内に居れば、終に生機に乏しく、鳥、籠中に入れば、便ち天趣を減ず若かず、山間の花鳥、錯雑して文を成し、翺翔自若、自ずから是れ悠然たる会心には...
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