ゆず

前集021-040

前集039 弟子を教育する環境:悪い習慣を持った人間と隔離する

起 原文 教弟子如養閨女最要嚴出入謹交游若一接近匪人是清浄田中下一不浄種子便終身難植嘉禾 弟子を教えるには閨女を養うが如し最も出入を厳にし、交遊を謹むことを要すもし一たび匪人に接近せば、是れ清浄田中に、一の不浄の種子を下すなりすなわち終身、...
前集021-040

前集038 道理に背く行動を減らすには、まず自分の心の煩悩を制御する

起 原文 降魔者 先降自心心伏則群魔退聴馭横者 先馭此氣氣平則外横不侵 魔を降す者は、先ず自心を降すべし心伏すれば則ち群魔退くを聴く横を馭する者は、先ずこの気を馭すべし気平かなれば則ち外横侵さず 魔、人の善事を障害する悪魔のこと;馭す、ぎょ...
前集021-040

前集037 無駄な悪あがきは辞めて、朴訥とした淡泊な生活に徹する

起 原文 寧守渾噩而黜聰明 留些正氣還天地寧謝紛華而甘澹泊 遺個清名在乾坤 寧ろ渾噩を守りて聡明を退け、その正気を留めて天地に還せ。寧ろ粉華を謝して淡泊に甘んじ、個の清名を遺して乾坤に在け。 渾噩(こんがく)、朴訥にして飾り気のないこと;粉...
前集021-040

前集036 小人には適度な厳しさで、君子には適度の礼を

起 原文 待小人 不難於嚴 而難於不悪待君子 不難於恭 而難於有禮 小人を待つは厳に難からず、しかもにくまざるに難し。君子を待つは恭に難からず、しかも礼有るに難し。 待、待遇すること;恭、うやうやしいこと 承 意訳 小賢しい小人に対して厳し...
前集021-040

前集035 他人と利害がぶつかるときは、謙虚に対応するのが世渡り上手

起 原文 人情反復 世路崎嶇行不去處 須知退一歩之法行得去處 務加譲三分之㓛 人情反復、世路崎嶇行き去らざるところ、須らく一歩を退くの法をし知るべし行き得去るところ、務めて三分を譲るの功を加えよ 人情反復、人情は軽薄にして変わり易いこと;世...
前集021-040

前集034 間違った見識、自惚れの態度は道を誤る

起 原文 利欲未盡害心 意見乃害心之蟊賊聲色未必障道 聰明乃障道之藩屏 利欲は未だことごとく心を害せず、意見はすなわち心を害するの蟊賊なり声色は未だ必ずしも道を障えず、聡明はすなわち道を障うるの藩屏なり 蟊賊(ぼうぞく)、蟊は穀物や草木の根...
前集021-040

前集033 自分の信じた道は、自然に実践できている状態まで極める

起 原文 放得㓛名富貴之心下 便可脱凡放得道徳仁義之心下 纔可入聖 功名富貴の心を放ち得下して、すなわち凡を脱すべし道徳仁義の心を放ち得下して、わずかに聖に入るべし 放ち得下して、外に放下して仕舞うの意味 承 意訳 功名だの富貴だのと言って...
前集021-040

前集032 世俗的な活動は徒労、多弁は騒々しい上に無駄

起 原文 居卑而後知登高之爲危處晦而後知向明之太露守静而後知好動之過勞養黙而後知多言之爲躁 卑き(ひくき)に居りて、しかして後に高きに登るの危きたることを知り晦き(くらき)に処して、しかして後に明るきに向うのはなはだ露るることを知り静を守り...
前集021-040

前集031 周囲には慈悲深く、自己の才能は深くおさめ秘めておく

起 原文 富貴家宜寛厚 而反忌刻是富貴而貧賤其行矣如何能享聰明人宜斂蔵 而反炫耀是聰明而愚懵其病矣如何不敗 富貴の家は宜しく寛厚なるべし、しかして反て忌刻なりこれ富貴にしてしかして其の行いを貧賤にするもの如何ぞよく享けん聡明の人は宜しく斂蔵...
前集021-040

前集030 窮地では初心に戻る、功名を成し遂げたら後進を育てる着眼を持つ

起 原文 事窮勢蹙之人 當原其初心功成行滿之士 要觀其末路 事きわまり勢い縮まるの人は、まさにその初心を尋ねるべし功成りて行い満るの士は、その末路を観んことを要す 承 意訳 することなすこと悉く失敗に終わり、二進も三進も(にっちもさっちも)...
前集021-040

前集029 両極端はダメ、中庸を得ることに配慮する

起 原文 憂勤是美徳 太苦則無以適性怡情澹泊是高風 太枯則無以濟人利物 憂勤は是れ美徳なり、はなはだ苦しめば則ち以て性に適い、情をよろこばしむること無し澹泊は是れ高風なり、はなはだ枯るれば則ち以て人をすくい、物を利すること無し 憂勤(ゆうき...
前集021-040

前集028 「他人の怨みを買わない」という大過なき視点を持つ

起 原文 處世不必邀功 無過便是功與人不求感徳 無怨便是徳 世に処しては必ずしも功をもとめざれ、過ち無きはすなわち是れ功なり人に与えては徳に感ずることを求めざれ、怨みなきはすなわち是れ徳なり 承 意訳 この世を生きているにあたり、無理して功...
前集021-040

前集027 風流高潔な趣と国家を論じる見識を持ち合わす

起 原文 居軒冕之中 不可無山林的氣味處林泉之下 須要懐廊廟的經綸 軒冕の中に居ては、山林的の気味なかるべからず林泉のもとにおりては、須らく廊廟的の経綸をおもうを要すべし 軒冕(けんべん)、軒は中国で大夫以上の身分のものが乗る車、冕は大夫以...
前集021-040

前集026 情欲に従って行動する際、その結果を考慮して慎重に

起 原文 飽後思味 則濃淡之境都消 色後思婬 則男女之見盡絶故人常以事後之悔悟 破臨事之痴迷 則性定而動無不正 飽後に味を思えば、則ち濃淡の境すべて消え、色後に婬を思えば、則ち男女の見悉く絶ゆ故に人常に事後の悔悟を以て、臨事の痴迷を破らば、...
前集021-040

前集025 情欲や分別は完全にコントロールして、その活力で正しい道に全集中!

起 原文 矜高倨傲 無非客氣降伏得客氣下 而後正氣伸情欲意識 盡屬妄心消殺得妄心盡 而後眞心現 矜高倨傲は、客気に非ざるは無し客気を降伏し得下して、しかる後に正気を伸ぶ情欲意識は、悉く妄心に属す妄心を消殺し得尽くして、しかる後に真心現はる ...
前集021-040

前集024 劣悪の環境で苦労したことが本当の偉業をもたらす

起 原文 糞虫至穢 變爲蝉而飲露於秋風腐草無光 化爲螢而燿釆於夏月固知潔常自汚出 明毎従晦生也 糞虫は至穢なるも変じて蝉となって露を秋風に飲む腐草は光無きも、化して蛍となりて采を夏月に輝かすまこと知る、潔は常に汚より出で、明はつねに晦より生...
前集021-040

前集023 説教・指導の際は相手の立場を十分に考慮してから

起 原文 攻人之惡 毋太嚴 要思其堪受敎人以善 毋過高 當使其可従 人の悪を攻むるに、はなはだ厳なることなかれ、その受くるに堪うるを思うことを要す人を教うるに善を以てせば、高きに過ぐることなかれ、当にそれをして従うべからしむべし 承 意訳 ...
前集021-040

前集022 “静かな心”と“躍動する心”の両者をバランス良く持ち合わせる

起 原文 好動者  雲雷風燈嗜寂者 死灰槁木須定雲止水中 有鳶飛魚躍氣象纔是有道的心體 動を好む者は雲雷風燈寂を嗜む者は死灰槁木すべからく定雲止水中、鳶飛び魚踊るの気象あるべしわずかに是れ有道的の心体なり 定雲止水,定雲は一か所に留まる雲、...
前集021-040

前集021 身近な人と笑顔で楽しく語り合う日常を大切にする

起 原文 家庭有個眞佛 日用有種眞道人能誠心和氣 愉色婉言 使父母兄弟間 形骸兩釋 意氣交流 勝於調息觀心萬倍矣 家庭個の真仏有り、日用種の真道あり人よく誠心和気、愉色婉言(ゆしょくえんげん)、父母兄弟の間をして形骸二つながら解け、意気交々...
前集001-020

前集020 何かを成し遂げるときは自分を客観的に眺める余裕がほしい

起 原文 事事 留個有餘不盡的意思 便造物不能忌我 鬼神不能損我若業必求滿 巧必求盈者 不生内變 必召外憂 事事、個の有余不尽的の意思を留むれば、すなわち造物も我を忌むこと能わず、鬼神も我を損すること能わず。若し業必ず満を求め、功必ず盈を求...
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