ゆず

前集061-080

前集079 心の内外からの賊には、静かに全てを見渡す心の余裕を持つ

起 原文 耳目見聞為外賊 情欲意識為内賊只是主人翁 惺惺不昧獨坐中堂 賊便化為家人矣 耳目見聞は外賊たり、情欲意識は内賊たりただ是れ主人翁、惺々不昧にして中堂に独坐せば、賊すなわち化して家人とならん 主人翁、一家の主人公、心の主人公;惺々不...
前集061-080

前集078 貪らざるを以て宝と為す

起 原文 人只一念貪私 便銷剛為柔 塞智為昏 變恩為惨 染潔為汚 壊了一生人品故古人以不貪為寶 所以度越一世 人は只一念貪私なれば、すなわち剛を銷して柔と為し、智を塞ぎて昏と為し、恩を変じて惨と為し、潔を染めて汚と為し、一生の人品を壊了す故...
前集061-080

前集077 病気を含めて、劣悪な環境は自分を成長させるカギとなります

起 原文 泛駕之馬 可就駆馳躍冶之金 終歸型範只一優游不振 便終身無個進歩白沙云 為人多病未足羞一生無病是吾憂真確論也 泛駕の馬は駆馳に就くべく躍冶の金は終に型範に帰すただ一優游して振るはざれば、すなわち終身個の進歩なし白沙いはく、人となっ...
前集061-080

前集076 指導者は、潔白も汚穢も全て受け入れる度量を持つ

起 原文 地之穢者多生物 水之清者常無魚故君子當在含垢納汚之量不可持好潔獨行之操 地の穢れる者は多く物を生ず 水の清める者は常に魚無し故に君子はまさに垢を含み、汚を納るるの量を存すべし潔を好み、独り行くの操を持すべからず 操(そう)、意志を...
前集061-080

前集075 真の道理は常に受け入れ、物欲は正義の観念を以て退ける

起 原文 心不可不虗虗則義理来居心不可不實實則物欲不入 心虚ならざるべからず、虚なれば則ち義理来り居る心実ならざるべからず、実なれば則ち物欲入らず 虚、むなしいこと、空虚なこと、邪心をなくした状態 承 意訳 人の心というものは、虚にしておか...
前集061-080

前集074 目先のことに一喜一憂せずに、長期的な目標を見据えて

起 原文 一苦一樂相磨練 練極而成福者 其福始久一疑一信参勘 勘極而成知者 其知始真 一苦一楽相磨練し 練極りて福を成すものはその福始めて久し一疑一信相参勘し 勘極って知を成すものはその知始めて真なり 磨錬、磨きをかけること。 日常の業務を...
前集061-080

前集073 人欲は捨て、世のためにどうするべきかを考える

起 原文 天理路上甚寛 稍游心 胸中便覺廣大宏朗人欲路上甚窄 纔寄迹 眼前倶是荊棘泥塗 天理路上は甚だ寛し、やや心を遊ばせば胸中すなわち覚ゆ、広大宏朗なることを人欲路上は甚だ狭し、わづかに跡を寄せば眼前ともに是れ荊棘泥塗なり 広大宏朗(こう...
前集061-080

前集072 和気あいあいと温情豊かに生きる

起 原文 天地之氣 暖則生 寒則殺故性氣清冷者 受享亦凉薄唯和氣熱心之人 其福亦厚 其澤亦長 天地の気、暖なれば則ち生じ、寒ければ則ち殺す故に性気、清令なる者は受享また凉薄なりただ和気熱心の人はその福もまた厚く、その澤(たく)また長し 清令...
前集061-080

前集071 指導者考:自分の成功には沈黙、部下の成功には賞賛を

起 原文 十語九中 未必稱竒 一語不中則愆尤駢集十謀九成 未必歸㓛 一謀不成則訾議叢興君子所以寧黙毋躁 寧拙毋巧 十語九あたるも未ぞ必ずしも奇と称せず、一語あたらざれば則ち愆尤ならび集まる十謀九成るも未だ必ずしも功を帰せず、一謀成らざれば則...
前集061-080

前集070 日々、自らの心に喜びを、周囲に人には心配りを

起 原文 福不可徼 養喜神以為召福之本而已禍不可避 去殺機以為遠禍之方而已 福はもとむべからず、喜神を養って以て福を招くの本と為さんのみ禍は避くべからず、殺機を去って以て禍に遠ざかるの方と為さんのみ 喜神、喜神の神とは神社仏閣に祀ってある神...
前集061-080

前集069 乾性な人、温情のない人、融通が利かない人、この三者とは距離をおく

起 原文 燥性者火熾 遇物則焚寡恩者氷清 逢物必殺凝滞固執者 如死水腐木 生機已絶倶難建㓛業而延福祉 燥性の者は火熾、物に遇えば則ち焚く寡恩の者は氷清、物に遇えば必ず殺す凝滞固執の者は、死水腐木の如し、生気すでに絶ゆともに㓛業を建てて福祉を...
前集061-080

前集068 天運が来れば受け入れ、平穏無事なときでも危機への備えを怠らない

起 原文 天之機緘不測抑而伸 伸而抑皆是播弄英雄 顛倒豪傑處君子只是逆来順受 居安思危天亦無所用其伎倆矣 天の機緘は測られず抑えて伸べ、伸べて抑ふ皆是れ英雄を播弄し、豪傑を顛倒する処なり君子はただ是れ逆に来るを順に受け、安きに居て危きを思ふ...
前集061-080

前集067 「善を誇る者」よりは「悪を恥じる者」の方が道は開ける

起 原文 為悪而畏人知 悪中猶有善路為善而急人知 善處即是悪根 悪を為して人の知るを畏るは、悪中なお善路有り善を為して人の知るを急ぐは、善処すなわち是れ悪根なり 承 意訳 悪いことをして人にそれを知られるのを畏れる者は、悪いことを知られたく...
前集061-080

前集066 日々是好日:心配事はほどほどにして今を楽しむ

起 原文 人知名位為樂 不知無名無位之樂為最真人知饑寒為憂 不知不饑不寒之憂為更甚 人名位の楽たるを知って、名無く位なきの楽の最も真たることを知らず人飢寒の憂いたるを知って、飢えず寒えざるの憂い更に甚だしきたることを知らず 承 意訳 世の中...
前集061-080

前集065 自分の心の中に、一筋の真理・信念を持つ

起 原文 心體光明 暗室中有青天念頭暗昧 白日下生厲鬼 心体光明なれば、暗室の中に青天有り念頭暗昧なれば、白日の下に厲鬼を生ず  暗昧(あんまい)、光がささず、暗いこと;厲鬼(れいき)、厉鬼、妖怪、幽霊 承 意訳 心の本体が一点の曇りなく常...
前集061-080

前集064 名誉欲・野心が根源では、清貧の実践も、偉大な事業も全て無駄

起 原文 名根未抜者 縦輕千乗甘一瓢 総堕塵情客氣未融者 雖澤四海利萬世 終為剰技 名根未だ抜けざる者は、たとえ千乗を軽んじ一瓢に甘んずるも、総て塵情に堕つ客気未だ融けざる者は、四海を澤し萬世を利すといえども、終に剰技と為る 名根、名利を重...
前集061-080

前集063 指導者は、物欲は捨て、完全円満を求めず

起 原文 欹器以滿覆 撲滿以空全故君子寧居無不居有 寧處缼不處完 欹器は満を以て覆り、撲満は空を以て全し故に君子は寧ろ無に居て有に居らず、缼に処して完に処せず 欹器(いき)=「宥坐の器」(ゆうざのき)、水を入れる容器で、水が空っぽのときは傾...
前集061-080

前集062 一流の者は安定した心を持ち、二流者は周囲からの承認欲求を持つ

起 原文 真亷無亷名立名者正所以為貧大巧無巧術用術者乃所以為拙 真廉は廉名無し、名を立つる者は、正に貧と為す所以なり大功は功術無し、術を用いる者は、乃ち拙と為す所以なり 真廉、正に清廉潔白な者;大功、偉大な巧者 承 意訳 真に清廉潔白な者は...
前集061-080

前集061 学を志す者は一片の人間味あふれるユーモアを持つ

起 原文 學者有段兢業的心思 又要有段瀟洒的趣味若一味斂束清苦 是有秋殺無春生何以發育萬物 学者、段の競業的の心思有り、又段の瀟洒的の趣味あることを要すもし一味斂束清苦ならば、これ秋殺有って春生無きなり何を以てか万物を発育せん 段,一片の;...
前集041-060

前集060 過去の業績は忘れて、未来志向の人生を歩む

起 原文 春至時和 花尚鋪一段好色 鳥且囀幾句好音士君子幸列頭角 復遇温飽不思立好言行好事 雖是在世百年 拾以未生一日 春至り時和らげば、花なほ一段の好色をしき、鳥また幾句の好音を囀ず士君子、幸いに頭角を列し、また温飽に遇ふ好言を立て好事を...
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