起 原文
醲肥辛甘非真味 真味只是淡
神竒卓異非至人 至人只是常
醲肥辛甘は真味にあらず、真味はただこれ淡。
神奇卓異は至人にあらず、至人はただこれ常。
醲肥辛甘、のうひしんかん、濃い酒、肥えた肉、山椒や胡椒のような辛いもの、甘いもの;神奇卓異、人智では測り知れないこと、世人とは異なって優れていること.
承 意訳
濃い酒、脂ののった肉、強い辛さ、甘さは、全て一種の美味ではありますす。しかしながら、これらは偏った味であって、真実の味とは言えません。真の味は米のような淡泊な味を示します。
奇妙であったり、異彩を放っていることが、道徳的に究極の人物とは言えません。究極の人というのは常に平凡に普通のことを行う人のことです。
転 別視点
本当に味わい深いものは、食べ物でも、人物でも、偏ったものではなく、普通のものということです。人を雇ったりするときに、なんと平凡な人がいないことか、と思ったことがあります。
ただ、個性は重要で、平凡の対義語は奇抜であって、個性とは相反する要素ではありません。奇抜とは言えない個性が必要ということになります。
結 まとめ
味わい深いものは、平凡なことが多い。人間としての修行は、奇をてらうことなく、正攻法で徳を積むのが、正しい道です。