起 原文
老来疾病 都是壮時招的
衰後罪糵 都是盛時作的
故持盈履滿 君子尤兢兢焉
老来の疾病は、すべて是れ壮時に招く的なり
衰後の罪糵は、すべて是れ盛時になす的なり
故に盈を持し満を履むは、君子尤も兢兢たり
罪糵(ざいげつ)、罪状;盈(えい)、満ること;兢兢、おそれ慎むこと
承 意訳
老年になってからの病気は、若いときの行動が原因であることが多いです
人生の衰退期に入ってからの禍いは、勢いが盛んだったころの罪状の報いであることが多いです
そんなわけで現在が充実感に満ちている君子たるものは、自分の道が誤っていないかと日々振り返ることが必要です
転 別視点
若い頃に飲んだお酒で体がボロボロになったという人は少数派かもしれませんが、若いころのタバコ、そうでなくても仕事によるストレスで動脈硬化から、心筋梗塞、脳梗塞になる人は多数存在します。
自分の人生が波に乗っているときの行いが、自分の勢力が陰ってきたときに自分を襲う波になります。
自分が元気なときにはなかなか気づかない細かい心配りをどんなときでも忘れないようにしたいです。
「吾日に吾身を三省す」(論語)という諺があります。自分がどんな立場で、どんな心情であっても、周囲の人に対して誠実であったか、を日々振り返ります。
結 まとめ
人生が充実しているときであっても、長期的な視野に立ち、日々自分の行動が正しいかどうかを謙虚に振り返ります。