起 原文
文章做到極處 無有他竒
只是恰好
人品做到極處 無有他異
只是本然
文章極処になし到れば、他の奇有ること無し
只だ是れ恰好
人品極処になし到れば、他の異有ること無し
只だ是れ本然
恰好(かっこう)、ちょうど似つかわしいさま;本然、本来自然のまま
承 意訳
文章を書くことを極めたならば、特に奇をてらうことはありません
そしてその奇をてらうことがないことがしっくりと来ます
人間の品性も同じで、修業を積んだ結果その極処に至れば、格段他と異なることはありません
そしてそれがまた自然のままで作為のない状態です
転 別視点
文章も、人間の品格も、一流の域に達したならば、特別にそれを強調する必要はありません。成熟の域に達したのであれば、自然のままが素晴らしいです。
本物であれば、奇をてらうようなアピールをしなくても、いずれはちゃんと本物として世間に知れ渡ります。
その通りだと思う反面、本物をちゃんと見分けることができる世間であるのか、なんでも面白いものを伝えることが当り前の価値観を持つ世間なのかでも変化します。
本物なんてどうでのいいんじゃない、という価値観の世界では、本物は埋もれます。逆の場合は、洪自誠さんの言う通り、ありのままで良さそうです。
その前に世間の評判を気にしている時点で、俗世に流され過ぎているのかもしれませんが。
結 まとめ
文章の品格も、人間の品格も、一流の域に達したならば、特別にそれを強調する必要はありません。成熟の域に達したのであれば、自然のままが最も素晴らしく、完全な形です。