前集101 心に至誠を持てば、どんなことでも成し遂げられます

前集101-120

起 原文

人心一真 便霜可飛 城可隕 金石可貫
若偽妄之人 形骸徒具 真宰已亡
對人側面目可憎 獨居則形影自媿

人心の一たび真なれば、すなわち霜飛ばすべく、城おとすべく、金石つらぬくべし
偽妄の人のごときは、形骸徒に具わるも、真宰はすでに亡ぶ
人に対すれば則ち面目憎むべく、独居すれば則ち形影自ら愧ず

霜飛ばす、天地を動かし、鬼神をも泣かすこと;偽妄之人、偽りの多い人;形骸、四肢五体;真宰、道の本体;媿、恥じ入ること

承 意訳

人の真心からでた一念(至誠)は、天地を動かし鬼神を懲らしめる力を持ち、堅城を落としたり、金石のごとく固いものを貫くことができます

偽りの多い人は、身体は満足に備わっていても、心の本体が既にありません

人に対するときは、その顔つきから憎らしく見えてくるし、独りでいるときは自分ながら恥じ入るようになります

転 別視点

自分の心に素直であれば、清々しい気持ちで生きていくことができます。自分の心に本意でない生き方をしたのであれば、嘘に嘘で塗り固めた人生を生きることになり、結局なんのために生きているのかわからなくなります。

洪自誠さんは、この事実を鋭く指摘し、更には一人でいるときには自己嫌悪に陥るとも指摘しています。誠心誠意生きている人でも、時には自己防衛のために「小さなウソ」をついてしまうこともあります。そんなときは、すぐに方向修正して正しい道を歩みましょう、と忠告している段落だと思います。

結 まとめ

心に至誠を持ては、どんなことでも成し遂げることができます。周囲がその至誠を応援してくれるからです。嘘をついたときは、勇気を持って、すぐに修正しましょう。

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