起 原文
耳中常聞逆耳之言 心中常有拂心之事 纔是進徳修行的砥石
若言言悦耳 事事快心 便把此生埋在鴆毒中矣
耳中常に逆らうの言を聞き、心中常に心にもどる事あれば、わずかにこれ進徳修行的の砥石なし。
もし言々耳を悦ばし、事々心を快にせば、すなわちこの生をとりて鴆毒の中に埋在す。
承 意訳
耳が痛い忠言・諫言や、自分にとって耳障りな言葉があってこそ、初めて自分に欠けている点に気づくことができます。つまり、自分の徳を磨くための砥石のような役割を持ちます。
逆に、追従軽薄な、心に快適な言葉は、徳を磨くことにはつながらず、自分の人生を毒薬の中に埋めてしまうようなものです。
転 別視点
心の安定を保つためには、自分が重要であるという考え方がある程度は必要です。自分にとって耳が痛い言葉は、自分の成長に欠かせない要素ですが、自分を肯定する言葉も同じくらい重要です。
ただ、追従軽薄な”純粋なおべっか”は自分をダメにしてしまいそうですが。
結 まとめ
自分にとって、耳が痛いような忠言・諫言こそが、自分の成長に必要で、耳を傾けるように心がけたいです。