起 原文
君子而詐善 無異小人之肆悪
君子而改節 不及小人之自新
君子にして善を詐るは、小人の悪をほしいままにするに異なるは無し
君子にして節を改むるは、小人の自ら新たにするに及ばず
改節、節操(自分の信じる主義・主張)を変更すること
承 意訳
学問を修めた君子であっても善を詐ることは、無学な小人が悪いことばかりすることと同じです
何が正しいかを重々承知している君子が自分の信じる道を私利私欲のために変更することは、学のない小人が悪事を悔いて改心することに到底及びません
転 別視点
君子たる者、すなわち学問を修めた知識人、組織の上に立つ人、他人を指導する立場にある人は、高い徳を要求されます。
何が正しくて、何が正しくないのかを十分に理解した上での行動になるので、小さな偽善であっても大きな罪に相当します。
同じように、君子たる者が、(何が正しい道かを知っていながら)自分の信念を利益のためにその節操を変更してしまうのは、もはや無学な悪党と同じです。
結 まとめ
古代中国での君子、現在では学問を修めた知識人、組織の上に立つ人、他人を指導する立場にある人は、高い徳を持つべきです。偽善や利益のために信念を曲げることは、悪事を働くことと同じです。