起 原文
貞士無心徼福
天即就無心處牖其衷
嶮人着意避禍
天即就着意中奪其魄
可見天之機權最神
人之智巧何益
貞士は福をもとむるに心なし
天はすなわち無心の処に就いてその衷を開く
嶮人は禍を避くるに意をつく
天はすなわち着意の中に就いてその魄を奪う
見るべし天の機權は最も神なることを
人の智巧何ぞ益あらん
貞士(ていし)、貞節の士;衷、中心、本心;嶮人(けんじん)、心のねじれた人;魄(はく)を奪う、驚かして気絶させる;機權(きけん)、はたらき、器用権能
承 意訳
節義を守る貞節の士は、幸福を求める気持ちはありません
そのために天は幸福を求める心がないところに幸福を与えその心を満足させます
心のねじれた陰険は人は、禍を避けようと常に心がけています
そのために天は禍を避けようとする心につけこんで禍を下してその心を驚かせます
天の為すことは神がかっており、理解困難です
人間の知力はしれています
転 別視点
人生何があるかわかりません。幸福を求めなければ、想定外に幸福になったり、禍を避けようとすれば禍が降ってきたりと。
ただ、人としての正しい道を守る人には本人の希望にかかわらず幸福になり、逆にそうでない人は禍を避けようとしても結局は禍に巻き込まれます。
志を変えず、人として正しい道を誤らなければ、幸福は間違いなくやってきますから、正しい道を歩みなさいという教訓なのかもしれません。
結 まとめ
人として正しい道を歩みなさい、そうすれば幸福は自ら近づいてきます。