前集087 雑念を払い、静かな環境で自分の心を観察する時間を持つ

前集081-100

起 原文

静中念慮澄徹 見心之真體
閒中氣象従容 識心之真機
淡中意趣冲夷 得心之真味
觀心証道 無如此三者

静中の念慮澄徹なれば、心の真體を見る
間中の気象従容なれば、心の真機を識る
淡中の意趣冲夷なれば、心の真味を得る
心を観、道をさとるはこの三者に如くは無し

澄徹(ちょうてつ)、澄み切って底まで見えること;心の真體、心の真正の本体;気象 = 気性;従容、ゆったりとして迫ってくるようなことがない状態;意趣 = 趣味;冲夷、あっさりとして、平らかなこと

承 意訳

静かなときに自分の心の中が澄み切っていれば、心の真正の本態をありありと見ることができます

平穏無事なときに自分の気性がゆったりとしていれば、心の真正の機用(働き方)を知ることができます

淡白質素な趣味で心穏やかになれば、心の味わい方を体得することができます

自分の本心を観察し、歩むべき道を理解するためには、この三者の方法が最も良い

転 別視点

上記の意訳を読んでもなかなかピンと来ないという声が聞こえてきそうです。非常に抽象的な表現なので、書いていても現実味が少ないです。

人間の集中力は限られています。一つのことを考えると別のことを考えることはできません。自分の心の在り方と考えるときは、それ以外の事象をシャットダウンすると深く考察できます。

つまり自分の心を考察するという難問には、一切の雑念を払って集中した方がよいのではないか、という意味です。

結 まとめ

雑念を払い、時間に追われず、ゆったりとした気分で、自分の心を観察すれば、歩むべき道が自然と理解することができます。そのような環境に身を置く時間を大切にしたいです。

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