起 原文
閒中不放過 忙處有受用
静中不落空 動處有受用
暗中不欺隠 明處有受用
閒中に放過せざれば、忙処に受用あり
静中に落空せざれば、動処に受用あり
暗中に欺隠せざれば、明処に受用あり
放過、うっかりと心を放ってぼんやりと過ごすこと;受用、自由な活動;落空、心の活動が止まって、死灰枯木のようになること;欺隠、自他を欺いて悪事を隠すこと
承 意訳
暇なときにぼんやりと過ごすことなく、自己の修練に励みましょう。そうすれば、忙しくなったときにマゴマゴしないで十分な働きができます
静かなときに何も考えることをしないような状態を避けるべきです。そうすれば、活動が必要なときにいろいろなことができます。
暗くて人が見ていないところで人を欺き悪事を隠蔽するようなことはいけません。そうすれば、白日晴天の下で自由な活動ができます。
転 別視点
第一段落では、「少年老いやすく、学なり難し」という”昔からの格言”を思い出させます。学を完成させるには、時間が必要でその時間はのほほんと過ごしているとアッという間に過ぎ去ってしまいます。私自身も50歳を超えて、無駄に過ごす時間はあまりないと強く自覚するようになりました。何かを成し遂げるのには人生は意外と短いと実感しています。
第二段落でも同じような内容を繰り返します。ぼんやりする時間があれば、いろいろと準備してはどうかという内容です。人間は、ゴムのようなもので、いつも緊張した状態が続くと心の疲労がたまるのではないかといわれております。一方で、脳神経には(筋肉とは異なり)ほとんど疲労という現象はない、とされています。うつ状態にならない程度に頑張ることが大事です。
第三段落では、隠れて悪事を働くと、最終的には自分の心も、他人の心も欺きます。自分の心を欺くとボディーブローのように心を痛めます。悪事をしているという自覚があると、人前で正々堂々とした態度が取れなくなります。自分の子供の前で自分は正しい行いとしてると胸を張りたいですね。
結 まとめ
時間は有限、常に自己鍛錬を考える。自分にも、他人にも、心は素直に生きると、結局は自分の心の安泰につながります。悪事を隠すような卑怯なことはもちろんダメです!