前集084 不遇の境地になっても、質実剛健に生きる

前集081-100

起 原文

貧家浄払地 貧女浄梳頭 景色雖不艶麗 氣度自是風雅
士君子 一當窮愁寥落 奈何輙自癈弛哉

貧家浄く地を払い、貧女浄く頭を梳れば、景色艶麗ならずといえども、気度自ら是れ風雅なり
士君子一たび窮愁寥落にあたって奈何ぞすなわち自ら廃弛せんや

梳れば(くしけずれば)、櫛で髪の毛をとかす;気度、気品、品格;窮愁(きゅうしゅう)、苦しみ憂うこと;寥落(れいらく)、寂しいこと;廃弛(はいし)、自暴自棄になること

承 意訳

どんな貧乏な家でも、綺麗に地上を掃除をする、外見が貧困な女性であっても、髪を綺麗に手入れしていれば、優雅で美しいということはなくても自然と気品があふれ趣深くなります。

君子たるものは、一たび失意のどん底に陥るような境遇となっても、みだりに自暴自棄になることはせず、益々自分を高めるような修行に励むべきです。

転 別視点

人間なので、運不運があります。運不運に一喜一憂していては、短い人生もったいないのかもしれません。外見や境遇が恵まれていなくても、身だしなみや心の内面はしっかりと保ちます。そうすれば趣深い人生となります。

二世議員さんが総理大臣になったりすると、親の経済力や与えられた環境が大きく人生を左右するという要素があることは否めません。でも、そんな中でも自分をしっかりと持てば凛として光輝くことができます。質実剛健な生き方を目指して。

結 まとめ

不遇の境地になっても、自分をしっかりと持ち自分を高めるような修行に励むべきです。

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