前集079 心の内外からの賊には、静かに全てを見渡す心の余裕を持つ

前集061-080

起 原文

耳目見聞為外賊 情欲意識為内賊
只是主人翁 惺惺不昧
獨坐中堂 賊便化為家人矣

耳目見聞は外賊たり、情欲意識は内賊たり
ただ是れ主人翁、惺々不昧にして
中堂に独坐せば、賊すなわち化して家人とならん

主人翁、一家の主人公、心の主人公;惺々不昧(せいせいふまい)、惺々は心を静めて道理を悟ること、不昧は明らかなこと

承 意訳

耳や目から入ってくる心に貪欲さを引き起こすような情報は外からの賊です。情欲や妄想は内からの賊です。

内外からの賊に対しては、只々心の主人公たる本心が全体の中央に端座するように、静かに全てを悟るように見渡すことができたのであれば、凶賊であっても本心に従うしかないでしょう。

転 別視点

心の内外から”道を外れるような誘惑”は多々あります。でもその誘惑の本質が何かをゆったりと見渡すことができたのであれば、それに囚われることはありません。

自分の心をしっかりと持ちなさいという意味とは思いますが、自分の心をしっかりと持つには心に余裕を持つことが大切です。心に余裕がなければ、普段は騙されることがないことでも騙されたりすることがあります。

いわゆる電話による「オレオレ詐欺」は、相手から心の余裕を奪うことがまず第一の目標ともいわれています。どんな境地に陥っても心に余裕をもって対処したいです。

結 まとめ

内外からの賊(心への誘惑)に対しては、自分の本心が全体の中央に端座するように、静かに全てを悟るように見渡すようにします。そうすれば、道を誤ることはないでしょう。

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