前集072 和気あいあいと温情豊かに生きる

前集061-080

起 原文

天地之氣 暖則生 寒則殺
故性氣清冷者 受享亦凉薄
唯和氣熱心之人 其福亦厚 其澤亦長

天地の気、暖なれば則ち生じ、寒ければ則ち殺す
故に性気、清令なる者は受享また凉薄なり
ただ和気熱心の人はその福もまた厚く、その澤(たく)また長し

清令、清潔で冷淡なこと;受享(じゅきょう)、天より受ける幸福のこと;凉薄、薄いこと、少ないこと;和気熱心、和気あいあいとして温かい心情;澤(たく)、恩沢

承 意訳

天地の気候が、春夏のように温暖であれば万物も悉く生育するが、秋冬の如く寒冷であれば万物皆枯れ死してしまいます

同じように、人間の気質が清潔で冷淡な者は天よりうける幸福は薄いです

和気あいあいとして心情の暖かい者は天から受ける幸福は厚く、恩沢も長く後世に伝わります

転 別視点

「類は友を呼ぶ」という諺があります。同じような考えの人は、同じような考えの人の元に集まるということです。英語圏でも、中国語圏でも、同様の諺があります。

温情に薄い人は、温情の薄い人に囲まれて、普通の価値観での幸福には恵まれません。温情に厚い人は、同じように温情に厚い人に囲まれて、幸せになることが多いです。

お金持ちは、同じようにお金持ちに囲まれる境遇にあります。しかしながら、幸福か、不幸かという意味では全く尺度が異なります。

温情豊かに生きようと改めて思いました。

結 まとめ

和気あいあいとして心情の暖かい者は天から受ける幸福は厚く、恩沢も長く後世に伝わります。

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