起 原文
春至時和 花尚鋪一段好色 鳥且囀幾句好音
士君子幸列頭角 復遇温飽
不思立好言行好事 雖是在世百年 拾以未生一日
春至り時和らげば、花なほ一段の好色をしき、鳥また幾句の好音を囀ず
士君子、幸いに頭角を列し、また温飽に遇ふ
好言を立て好事を行ふことを思はざれば、これ世に在ること百年なりといえども、恰も未だ一日を生きざるに似たり
囀(てん)、さえずる;温飽(おんぽう)、あたたかい衣類を着、十分に飲食すること
承 意訳
春になってのどかになると、花は一段と美しくなり、鳥も美しい声でさえずります
君子のような人が、出世して名が知れるようになって、裕福な暮らしをしても
更に善い言葉、善い行動を実践しようとしなければ、これまでに100年の功績があったとしても、全く意味がありません
転 別視点
人の見本となるような人は、過去に素晴らしい行いをしたかもしれませんが、本当に重要なのは未来に対して善い言葉、善い行いをしようと取り組むことが極めて重要です。
「自慢は知恵の行き止まり」という諺があります。他人に自分の自慢話をするような状況になったら、それは進歩しなくなった証拠だという意味です。常に進歩する人は、少し前の自分よりも今の自分の方が進化しているので、過去の自分を自慢する気持ちになりません。
いくつになっても進歩する未来志向で行きたいですね。
結 まとめ
過去の善い行いなどの業績は過去のもので大切な思い出にしまっておきましょう。重要なのは、未来に向けて何をするのかです。未来志向の人生を歩みましょう。