前集057 一流(真)になるには、その道の一流(真)なものを追求する

前集041-060

起 原文

人心有一部真文章 都被殘編斷簡封錮了
有一部真鼓吹 都被妖歌艶舞湮沒了
學者須掃除外物 直覔本来 纔有個真受用

人心には一部の真文章有り、すべて残編断簡に封個せらる
一部の真鼓吹有り、すべて妖歌艶舞に湮没せらる
学者すべからく外物を掃除して、直ちに本来をもとむべし、わずかに個の真受用有り

殘編斷簡(ざんぺんだんかん)、書物や文書の切れ端、古書;封錮、固く封じ込められること:鼓吹(こすい)、音楽;妖歌艶舞、怪しい歌、なまめかしい舞、卑俗な音楽;受用、使用する意味

承 意訳

人の心の中には、一部の真の文章が有りますが、古い書物や文章の切れ端によって、それがわからなくなっています。

音楽の中にも、真の素晴らしい音楽がありますが、怪しい歌や低俗な音楽に影も形もなくなってしまっています。

そんな世の中ですから、学者というものは全ての外からの誘惑を払い、直ちに本来の真の文章や天来の真の音楽を求めるべきで、そうして初めて文章や音楽の価値が理解できます。

転 別視点

多くの読書、多くの音楽鑑賞は、知能を鍛えると考えられています。しかしながら、駄文を読み漁ったり、下手な音楽を聴いていることは、自分の成長には繋がらず、かえって真の文章、真の音楽を見失ってしまう可能性があります。だからこそ、真の文章、真の音楽を求める姿勢こそが重要です。

一流の料理人になるには、一流の料理を食べないとそうはなれないと言います。一流の作家は一流の文章を読まないとそうはなれません。一流の音楽家は一流の音楽を鑑賞します。納得ですね。

結 まとめ

真に含蓄のある文章、真に趣のある音楽を求めて、自分の成長の役に立てます。

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