起 原文
心地乾浄 方可讀書學古
不然見一善行竊以濟私 聞一善言假以覆短
是又藉冦兵 而齎盗粮矣
心地乾浄なれば、まさに書を読み、古を学ぶべし
しからざれば、一の善行を見ては、密かに以て私をなし、一の善言を聞いては、借りて以て短を覆う
是れまた寇に兵をかし、しかして盗に糧を糧をもたらすなり
藉冦兵、寇に兵を藉し;齎盗粮、盗に糧を齎す
承 意訳
心を清浄にして一切雑念を払った後、始めて書物を読んで古の善治を学ぶべきです
もしもそうでなく、心中に不浄な邪念を抱いて書を読むとしたら、一つの善行を見つけては私欲のための材料とし、一つの善言を聞いては自分の短所を覆い隠すために利用したりします
これは読書の目的と異なり、敵に武器を渡したり、盗賊に食料を持たせるようなもので、とても危険なことです
転 別視点
読書はその著者との会話とも言います。著者が素晴らしいことを書いたとしても、それを受け入れる側の準備が整っていなければ素直に心には響きません。
自分自身も疲れているときに、難しい内容の書物は読めないです。ひねくれた考えで満たされた時期に高尚な考えの書物を読んでも、ひねくれて解釈してしまいがちです。
結 まとめ
本来自己鍛錬に良い読書ということであっても、自分が純粋な心で読まなければかえって逆効果になります。