起 原文
吉人無論作用安詳 即夢寐神魂 無非和氣
凶人無論行事狼戻 即聲音咲語 渾是殺機
吉人は作用の安詳を論ずること無く、即ち夢寝神魂も、和気に非ざるは無し
凶人は行事の狼戻を論ずること無く、即ち声音咲語も、全て是れ殺気
吉人、善人;安詳、安らかで、のんびりしていること;夢寐神魂(むびしんこん)、眠っている間の魂;狼戻(ろうれい)、狼のように欲深く道理にもとること。
承 意訳
善人はその平素の行動が安らかで、心がのんびりしています。つまり眠っている間でさえも、その魂は和気に満ちています。
悪人はその平素の行動が欲深く道理にもとっています。つまり声や笑ってするお話でされも、全てが刺々しく殺気を帯びています。
転 別視点
善人は、どんな環境にあっても善が身にまとい、悪人は、どんな状況にあっても悪が付きまといます。すなわち、自分の心の中がどんな状況になっても外面に現れるということです。
心の中に悪い心、欲深い心があれば、知らず知らずに外面にでてきます。清い心で清々しい人生を歩むにはまずは心の中から改革していくべきなのでしょう。
しかしながら、私を含め「まずは形から」入り、後から心が入ってくるという順番でも良いのではと考える人もいます。後からでも良い展開になるのは、そうならないことよりはまだマシです。洪自誠さんも、順番は否定はしていません。なので、「まずは形から」もOKですね。
結 まとめ
善人はどんな状況でも和気に満ちています。悪人はどんな時でも殺気を帯びます。心の底から穏やかな和気を醸し出すと幸せになります。