起 原文
教弟子如養閨女
最要嚴出入謹交游
若一接近匪人
是清浄田中下一不浄種子
便終身難植嘉禾
弟子を教えるには閨女を養うが如し
最も出入を厳にし、交遊を謹むことを要す
もし一たび匪人に接近せば、是れ清浄田中に、一の不浄の種子を下すなり
すなわち終身、嘉禾を植え難し
閨女(けいじょ)、箱入り娘;匪人(ひにん)、非人、悪い人;嘉禾(かか)、穀物の茎、良い稲
承 意訳
弟子を教育するには、あたかも”箱入り娘”を養育するようにします。
特に、その交遊関係に注意することが最も重要です。キャラの悪い者と交遊しないようにします。
もし、一度キャラの良くないものと交際したときは、すぐにその悪い性格が伝染し、ついには堕落してしまう恐れがあります。
悪人と交遊することは、丁度清潔に耕した田の中に、雑草の種を一つ蒔くようなもので、忽ち雑草だらけになります。
そうなると折角の良田も荒れ果て、後々まで穀物を植えるに適さない土地になってしまいます。
転 別視点
似た意味の日本の諺に「腐ったみかんは、周りのみかんに悪い影響を与える」というものがあります。みかんがたくさん入った入れ物の中で、一つのみかんにカビが生えたとします。そのカビは、周囲のみかんにすぐに広がります。入れ物に入ったみかんは風通しが悪く、栄養満点なので、元々カビやすい状態・環境にあります。そこに少しのカビが混入するとすぐに全体に広がります。
人間も同じということでしょう。人間は元々弱い生き物ですから、きっかけがあるとすぐに安易な方向、悪しき方向に流されます。そんな中に悪しき方向を好む人が混入すると全体がすぐに悪しき方向に流されます。
結 まとめ
弟子を教育するときは、悪い習慣を持った人間と距離を置かせることが重要です。悪しき週間はすぐに広まります。