起 原文
勢利紛華 不近者為潔 近之而不染者為尤潔
智械機巧 不知者為髙 知之而不用者為尤髙
勢利紛華は近づかざるものを潔しとなす、之れに近づきて、しかして染まざるものを最も潔しとなす。
智械機巧は知らざるものを高しとなる、之れを知りて、しかして用いざるものを最も高しとなす。
智械機巧、知恵や才気の働き.
承 意訳
人を堕落させる権勢・利益・紛飾・華美に近づかないようにすることは、汚れがなく潔白な行動です。でも、これらに近づいても、その汚れに染まらないことが最も潔白です。
裏工作のような「知恵や才気のやり繰り」を知らないことは、上品で品格があります。でも、それを知ったうえで、それでも実行しないことが、最も気高いと言えます。
転 別視点
悪人が行う裏工作に対する対抗策は、正攻法が常に効果的とは限りません。裏工作には裏工作が効果的な場合もあるのではないか(郷に入れば郷に従え?)、と想像してしまいます。
そんな想像をしてしまうこと自体が、まだまだ修行が足りない証拠なのかもしれませんが。
結 まとめ
悪いものには近づかないというスタンスもありですが、裏も表も全てを知ったうえで正しい行動をとることが、人としての正しい道です。