起 原文
人情反復 世路崎嶇
行不去處 須知退一歩之法
行得去處 務加譲三分之㓛
人情反復、世路崎嶇
行き去らざるところ、須らく一歩を退くの法をし知るべし
行き得去るところ、務めて三分を譲るの功を加えよ
人情反復、人情は軽薄にして変わり易いこと;世路崎嶇(せろきく)、世路は世を渡ること、崎嶇は山道の高低で非常に険阻なこと
承 意訳
人情というものは軽薄で変わり易く、世を渡ることは険しい道のりです。
そんな難しい世の中で生きていくには、容易に通行できないところでは、自らは一歩を他人に譲って人を先に通すようにします。
例え容易に通れるところであっても、十分の三は他人に譲るような工夫を凝らさねばなりません。
転 別視点
相手に道を譲らずに自分が先を急いでも得るものは知れています。相手に道を譲っても失うものはほとんどありません。なので謙虚な心で相手に道を譲るのはどうでしょうか。
でも、相手に道を譲っても得られたものはすぐに消えてしまうという考えもあります。
しかしながら、自分が先を急いだ場合は小さな罪悪感で、譲った場合は小さな満足感がもたらされます。小さな満足感は積もれば大きな幸せになります!
結 まとめ
周囲の他人と利害がぶつかるときは、謙虚な姿勢で相手に利益を譲るような対応をするのが世渡り上手です。