起 原文
憂勤是美徳 太苦則無以適性怡情
澹泊是高風 太枯則無以濟人利物
憂勤は是れ美徳なり、はなはだ苦しめば則ち以て性に適い、情をよろこばしむること無し
澹泊は是れ高風なり、はなはだ枯るれば則ち以て人をすくい、物を利すること無し
憂勤(ゆうきん)、心を苦しめて勤務すること;澹泊、私欲を少なくして、さっぱりとしていること.
承 意訳
自分が苦しくなるくらい細心の注意を払って勤務することは称賛に価すべきですが、心に余裕なければうつ状態になってしまいます。
物事に執着がなく、さっぱりとしていることは高尚な気風ではありますが、他人を救い、利することもできなくなります。
転 別視点
本来は美徳と考えられている仕事に対する心構えも、極端になるとそれは却って害になります。どのなことでも、「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
「過ぎたるは及ばざるが如し」は、孔子の論語に掲載されている言葉です。孔子も洪自誠も、両極端ではなく、”中庸”が求められる場合が多いと述べています。
結 まとめ
何事も両極端に走らないように心がけ、道の中庸を得ることに注意を向けます。