後集133 不完全なものを楽しみたい

後集121-134

起 原文

茶不求精而壷亦不燥
酒不求冽而樽亦不空
素琴無絃而常調 短笛無腔而自適
縦難超越羲皇 亦可匹儔荊嵆阮

茶は精を求めず、而して壷も亦燥かず
酒は冽を求めず、而して樽も亦空しからず
素琴は絃無くして常に調ひ、短笛は無くして自から適ふ
縦ひ羲皇を超越し難きも、亦嵆阮に匹儔すべし

精(せい)、精良、優れていること;冽(れつ)、清く、芯のある味わい;羲皇(ぎこう)、伏羲。古代中国神話に登場する神または伝説上の帝王;嵆阮(けいげん)、竹林の七賢人の中の中心的な2人、阮籍と嵆康

承 意訳

お茶は優れたものでなくても良いので、茶筒が無くならないように

酒は一流を求めなければ、樽も空にはなりません

琴は弦が無くてもいつも味わいがあり、笛は孔がなくても完結します

不完全なものの風情を楽しむことができれば、伝説の神羲皇を超えることはできなくても、竹林の賢人に匹敵することができます

転 別視点

完璧なものを求めれば、すぐにそれは無くなってしまう

不完全なものであれば、無くなることは早々ないし、不完全な部分を楽しむことができれば、風流を常に感じることができます

結 まとめ

不完全なものにも味わいがあり、それを楽しむ心を持ちたいです

Follow me!

PAGE TOP