起 原文
矜高倨傲 無非客氣
降伏得客氣下 而後正氣伸
情欲意識 盡屬妄心
消殺得妄心盡 而後眞心現
矜高倨傲は、客気に非ざるは無し
客気を降伏し得下して、しかる後に正気を伸ぶ
情欲意識は、悉く妄心に属す
妄心を消殺し得尽くして、しかる後に真心現はる
矜高、驕り高ぶること;倨傲、高慢不遜の態度をとること;客氣、心の主人ではなく、他から来たもの;正氣、客氣の反対で、自分の本来の心。
承 意訳
驕り高ぶり傍若無人に振る舞うような気持ちは、本来の自分の心ではなく、から元気に過ぎません。このような感情を克服して、初めて本来の自分の活力が芽生えてきます。
惜しい、欲しい、憎い、可愛いなどのいろいろな感情や善悪利害の分別する分別は、全て妄念と言えます。妄念を克服して、初めて自分の心の奥に存在する真の心が現れてきます。
転 別視点
強い情欲は、コントロールしてこそ自分の活力になります。激しい感情も、それをコントロールしてこそ真の自分の心に気づくことができます。
心の盛り上がりは素晴らしいことですが、その盛り上がりをあるがままではいけません。自分のコントロールの下におき、その活力で必要な事柄に心血を注ぎます。
結 まとめ
高ぶる情欲や分別の知恵にとらわれることなく、その感情をコントロールして、その力を自分が正しいと考える道に集中するようにします。