前集024 劣悪の環境で苦労したことが本当の偉業をもたらす

前集021-040

起 原文

糞虫至穢 變爲蝉而飲露於秋風
腐草無光 化爲螢而燿釆於夏月
固知潔常自汚出 明毎従晦生也

糞虫は至穢なるも変じて蝉となって露を秋風に飲む
腐草は光無きも、化して蛍となりて采を夏月に輝かす
まこと知る、潔は常に汚より出で、明はつねに晦より生ずるを

晦(かい):月がでないこと、暗いこと。

承 意訳

汚いものを食べる糞虫は夏になると地面から這い出して、蝉になります。蝉になったならば、不浄のものは食べません。秋風のころに玉のごとき露を吸って生きます。

腐った草は元より光を持っていませんが、一旦化して蛍と変化したならば、夏の月を背景に、星のように輝きます。

この2つのことから真実を知ります。潔きもの、顕明なるものは、却って穢れたもの、晦暗の中から生じます。

転 別視点

初めから光輝くものがないとは言いませんが、それは本物とは言えないと洪自誠は示唆しているように思いました。

現代においては、「なぜ、腐った草が蛍に」と疑問に思います。しかしながら、古くは、「暑さに蒸れて腐った草や竹の根が、蛍になる」と信じられていたそうです。

本当に輝く存在は、当初はそうではないもの(却って汚らわしいもの)の中に存在します。しかしながら、その逆境に埋もれることなく、様々な境遇の中で自分を磨き、最終的には光輝く存在になります。それこそが本当の偉人と言えるのではないでしょうか。

結 まとめ

劣悪の環境で苦労したことが、最終的には本当に偉業をもたらします。若いうちは、買ってでも苦労しろ、と言います。いつもでも若いと考えている私は、いつまでも苦労を買い続けます!

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