起 原文
斗室中 萬慮都捐 説甚画棟飛雲 珠簾捲雨
三杯後 一真自得 唯知素琴横月 短笛吟風
斗室の中、万慮都て捐つれば、甚の画棟に雲を飛ばし、珠簾を雨に捲くを説かん
三杯の後、一真を自得すれば、唯だ素琴を月に横たえ、短笛を風に吟ずるを知るのみ
斗室(としつ)、極めて小さい部屋。一斗桝ほどの部屋;画棟(がとう)、彩色を施した棟木;珠簾(しゅれん)、珠玉で飾ったすだれ;三杯(さんぱい)、わずか三杯のお酒;素琴(そきん)、装飾、上塗りがほどこされていない木地のままの琴;
承 意訳
小さな部屋の中でも、全ての心配事をやめれば、華やかな棟木で雲を飛ばし、珠玉の簾を雨に捲くような豪華なことは必要ありません
少しのお酒を飲んで、真理を悟ったならば、月下に琴を奏で、短い笛を風を共に吹くことが最高の趣きであることを知ります
転 別視点
華やかな装飾よりは、少々のお酒と音楽が風情に溢れる、という解釈ができます。
外見的な美しさよりも、内面的な充実を尊重したいです。
結 まとめ
外面の豪華さ、美しさに目を奪われがち、でも本当に重要なのは自己の内面の充実です。