起 原文
理寂則事寂
遺事執理者 以去影留形
心空則境空去
境在心者 如聚羶却蚋
理寂なれば則ち事寂なり
事を遺りて理を執する者は、影を去りて形を留むるに似たり
心空なれば則ち境空なり
境を去りて心を在する者は、羶を聚めて蚋を却くるが如し
羶(せん)、生臭い肉;蚋(ぜい)、ブヨ
承 意訳
真理が静寂であれば、現象も静寂です
理(真理)と事(現象)は対になり、どちらか一方のみが存在するものではなく、どちらかだけが寂であることはあり得ない
現象を捨てて、真理を追究する者は、影を消し去るも形は残そうとするようなものです
本心が空寂であれば、その周辺も空寂です
周辺に関心を払わず、心だけを空寂にしようとする者は、生臭い肉を集めておいて、それにたかるブヨを追い払おうとするようなものです
転 別視点
形だけ、見た目だけ、に集中して、囚われてしまうと、結局何が目的だったのかは分からなくなり、本末転倒になってしまいます
学校の先生になろうとして、実際になったのに、生徒を導くことに情熱を燃やせない人
政治家になろうとして、政治家になったのに、立派な政治をしようとしない人
医師になろうとして、医師になったのに、医療をすることに積極的でない人
結 まとめ
外見、飾り(名誉、お金、欲望)に囚われずに、本質を見つめながら実践する