起 原文
飽諳世味 一任覆雨翻雲 総慵開眼
會盡人情 随教呼牛喚馬 只是點頭
世味を飽くまで諳んずれば、覆雨翻雲に一任し、総て眼を開くに慵し
人情を会し尽くせば、牛と呼び馬と喚ぶに、随教し、只是点頭す
世味(せみ)、この世の味わい、世間の趣;諳(そら)んじる、知り尽くす;覆雨翻雲(ふくうへんうん)、尋常がコロコロと変わりやすいこと;慵(ものう)し、気が進まず、鬱陶しい
承 意訳
この世の味わいを十分に満喫したならば、他人の心の変化にはなすがままで、全て掌握しようという気にはなりません
人の心を理解すれば、他人から牛と呼ばれようが、馬と言われても、そうですね、と頷くのみ
転 別視点
この世の趣を十分に満喫したならば、かつ、この世の在り方を十分に理解したならば、変化しやすい人の心変わりに苦心しても、無駄なあがきにしかなりません。
変わらないものはない、と言いますが、人の心は最も変化しやすいですね。
結 まとめ
人の心は変化しやすいものと理解して、拘りのない人生を歩みたいです。