起 原文
樹木至歸根 而後知華萼枝葉之徒栄
人事至葢棺 而後知子女玉帛之無益
樹木根に帰するに至って、而る後に華萼枝葉の徒栄なるを知る
人事棺を蓋ふに至って、而る後に子女玉帛の無益なるを知る
華萼(かがく)、花、花のがく;子女玉帛(しじょぎょくはく)、息子、娘、宝石、絹、子供や財宝
承 意訳
樹木は秋になって根っこばかりになったとき、花や枝葉が一時的なものだったと気づく
人間も棺桶に入るようになったとき、子供たちや収集した財宝が意味のないものだと気づく
転 別視点
樹木にとって、枝葉は翌年の活力を生むために必須なもので、落葉するのは冬の寒さを生き抜くためです
人間にとって、子供の存在は命をつなぐために必要な要素です。では財宝はどうなのか?
財宝だけは別物のような印象を持ちます
命をつなぐためにはいろいろなものがからみ、中には必須のものもあります。でも死ぬときには意味がなくなるので、執着しないように、という段落です
結 まとめ
死ぬときには、あらゆるものが無用なものとなります。執着することは意味がありません。