起 原文
竹籬下 忽聞犬吠鶏鳴 恍似雲中世界
芸窓中 雅聴蝉吟鴉噪 方知静裡乾坤
竹籬の下、忽ち犬吠え鶏鳴くを聞けば、恍として雲中の世界に似たり
芸窓の内、雅に蝉吟き鴉噪ぐを聴けば、方に静裡の乾坤を知る
竹籬(ちくり)、竹垣;芸窓(げいそう)、書斎;静裡(せいり)、静閑;乾坤(けんこん)、天地
承 意訳
竹垣の下で、犬が吠え、鶏が鳴くのを聞くと、うっとりとして雲の中の仙境にいるような気持ちになる
書斎にて、蝉がなき、カラスが騒ぐ音を聴けば、その時初めて今の環境が静かで落ち着いていることを知る
転 別視点
今の自分がどのような環境・立場に置かれているということは、ぼんやりしていると気づかないこともあります。
でもそれとは関係のない要素が混入していくると、視点が広がり理解することができます。
乱されることがなくても、広い視野で物事を観察すると、今を十分に楽しむことができるでしょう。
結 まとめ
自分を含めたいろいろな事象を広い視野で観察すると、「今」を理解し、楽しむことができます。