起 原文
人肯當下休 便當下了
若要尋個歇処 則婚嫁雖完 事亦不少
僧道雖好 心亦不了
前人云 如今休去便休去 若覓了時無了時
見之卓矣
人肯て当下に休せば、便ち当下に了せん
若し、個の歇む処を尋ねんこと要れば、則ち婚嫁完しと軀も、事も亦少なからず
僧道好しと軀も、心また了せず
前人云う、「如今、休し去らば、便ち休し去り、若し了時を覓むれば、了時無からん」と
之を見るに卓なり
当下(とうか)に、まさにその時に、すぐさま;歇(や)む処、やめどき;婚嫁(こんか)完(まった)し、息子に嫁をとり、娘を嫁にやることが、完了すること
承 意訳
人間は、すぐに決断してやめようとすれば、すぐにやめることができます
しかしながら、適切な時期を検討しようとすれば、子供たちの結婚が終わったとしても、悩み事はどんどんでてきます
出家して道は安定したと考えても、心穏やかになることはありません
古人は言います「今すぐにやめることはできるけど、いつがやめどきかを考えるとそんなときは来ない」
卓越した見解です
転 別視点
即断即決で人生を決めていかないと、どんどん決めることが増えてきて、人生が悩みの種だらけになってしまいます
菜根譚の後集は、穏やかな人生を送るためのtipsが多いですが、この段落は社会の指導的立場にある人にも重要な指針となりそうです。
収集できる情報量を見積もり、ある程度に達したならばそこで決断をする、ということが決断する事項が多い人にとっての鉄則です。
結 まとめ
収集できる情報量を見積もり、ある程度に達したならばそこで決断をする。