起 原文
會得個中趣 五湖之煙月 盡入寸裡
破得眼前機 千古之英雄 盡歸掌握
個中の趣を会し得れば、五湖の煙月、尽く寸裡に入る
眼前の機を破り得れば、千古の英雄、尽く掌握に帰す
個中の趣、その物の中になる真実な趣き;五湖の煙月、五湖(中国の有名な5つの湖)の風景;眼前の機、眼の前に現れている天機(種々雑多な現象全体)
承 意訳
その物の中に含まれている風情を会得すれば、遠くの五湖の風景も(実際に行くことなしに)心の中で理解することができます
眼の前の森羅万象を見抜けば、古の偉人をも(実際に出会うことはないが)考えを理解することができます
転 別視点
風情という概念は、世界中どこに行っても同じであるので、眼の前の物の風情を理解できれば、ヨーロッパでも南米でも、遠くの風景の風情を理解することができます。写真を見るだけで、その地域の良さが想像できます。
森羅万象の真理を見抜けば、昔も今もその真理は変化しません。だからこそ、物事の真理を理解すれば、孔子の論語であっても、洪自誠さんの菜根譚であっても、深く共感することができます。
結 まとめ
物事の風情や真理は、どこに行っても、どの時代であっても、変わることはありません。一たび会得すれば、世界中の、どの時代の事象も身近な事象のように理解することができます。