起 原文
人解讀有字書 不解讀無字書
知弾有絃琴 不知弾無絃琴
以迹用 不以神用 何以得琴書之趣
人有字の書を読み解するも、無字の書を読むを解せず
有絃の琴を弾ずるを知って、無絃の琴を弾ずるを知らず
迹を以って用い、神を以って用ひず、何を以ってか琴書の趣を得ん
迹(あと)、足跡、形を持っているもの
承 意訳
世間の人は、文字の書いてある書物を読み理解することはできますが、文字のない書物は理解できません
同じく、弦のある琴を奏でることはできても、弦のない琴を奏でる方法を知りません
形あるもののみを用いて、形のない精神的な部分を考慮しないことと同じで、どうやって琴や書物の趣きを感じることはできません
転 別視点
書物は、文字を読むことによって成立しますが、行間を考えることが重要です。記載されている内容から、自分で考えることが本来の目的です。
琴は、弦を奏でることで演奏が成立しますが、演奏の趣きは間合いによる部分があって初めて成立します。
形に囚われずに、本来何を表現しようとしているかを、受け取る側が自分で良く考える姿勢が大切です。
結 まとめ
書物でも、演奏でも、表面的な形に囚われずに、本来何を表現しようとしているかを、受け取る側が自分で良く考えることが重要です。