起 原文
得趣不在多
盆池拳石間 煙霞具足
會景不在遠
蓬窓竹屋下 風月自賖
趣を得るは多きに在ず
盆池拳石の間に、煙霞具足す
景を会するは遠きに在ず
蓬窓竹屋の下に、風月は自ずから賖なり
盆池拳石(ぼんちけんせき)、お盆のような小さな池、拳ほどの小さな石;煙霞(えんか)、煙とかすみ;景を会する、風景が心にマッチする;蓬窓竹屋(ほうそうちきおく)、ヨモギの生い茂った窓、竹屋根のあばら家;賖(はるか)、のどか
承 意訳
風情を会得するには多くの物を必要とするわけではありません
小さな池や小さな石でも、よく見ればその間に風情があります
心に訴える風景を得るのに、遠くに行く必要なありません
ヨモギの生えた窓や竹小屋に通う、風や月はとてものどかで心に響きます
転 別視点
風情のある暮らしをするには、なにかいろいろなものを収集したり、遠くに出かけて苦労して何かを得ようとする必要はありません
風情のある美しいもの、のどかなものは、近くの目の前にあります
それに気づく静かな心になることは大切です
結 まとめ
風情のあるもの、心に訴える風景は、すぐ近くに存在します。それに気づくように心を静めることが大切です。