後集005 心を静めれば、眼前の風情や美しい景観に気づきます

後集001-020

起 原文

得趣不在多
盆池拳石間 煙霞具足
會景不在遠
蓬窓竹屋下 風月自賖

趣を得るは多きに在ず
盆池拳石の間に、煙霞具足す
景を会するは遠きに在ず
蓬窓竹屋の下に、風月は自ずから賖なり

盆池拳石(ぼんちけんせき)、お盆のような小さな池、拳ほどの小さな石;煙霞(えんか)、煙とかすみ;景を会する、風景が心にマッチする;蓬窓竹屋(ほうそうちきおく)、ヨモギの生い茂った窓、竹屋根のあばら家;賖(はるか)、のどか

承 意訳

風情を会得するには多くの物を必要とするわけではありません

小さな池や小さな石でも、よく見ればその間に風情があります

心に訴える風景を得るのに、遠くに行く必要なありません

ヨモギの生えた窓や竹小屋に通う、風や月はとてものどかで心に響きます

転 別視点

風情のある暮らしをするには、なにかいろいろなものを収集したり、遠くに出かけて苦労して何かを得ようとする必要はありません

風情のある美しいもの、のどかなものは、近くの目の前にあります

それに気づく静かな心になることは大切です

結 まとめ

風情のあるもの、心に訴える風景は、すぐ近くに存在します。それに気づくように心を静めることが大切です。

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