起 原文
子弟者大人之胚胎 秀才者士夫之胚胎
此時 若火力不到 陶鋳不純 他日 渉世立朝 終難成個令器
子弟は大人の胚胎、秀才は士夫の胚胎なり
此時、若し火力到らず、陶鋳純ならざれば、他日、世を渉り朝に立つとき、終に個の令器を成り難し
胚胎(はいたい)、物事の起こる原因やきざしが生じること;士夫、最終試験に合格して指導的立場になる人;陶鋳(とうちゅう)、陶器を焼くこと;令器(れいき)、良い器
承 意訳
若者は社会を構成する大人達の卵であり、秀才は指導的立場に立つ人の卵です
これらの卵の段階の人には、しっかりとした内容の修行期間を設けるべきです
そうでなければ、陶器を焼くときの火力が足りないと良い陶器にならないように、中途半端に人物になってしまいます
転 別視点
どんな立派な人材であっても、その人は突然生まれるわけではなく、その人を育てる人、その人を育てる環境があります
逆に悪人も、突然悪人が生まれるわけではなく、その悪人を育てた人、育てた環境があります
人間関係全体の因果応報と言えそうです
結 まとめ
社会に貢献する立派な人材を育てるには、しっかりとした修行を積ませる環境が必要です