起 原文
節義之人濟以和衷 纔不啓忿爭之路
㓛名之士承以謙徳 方不開嫉妬之門
節義の人は、済うに和衷を以ってせば、纔かに忿争の路を啓かず
功名の士は、承くるに謙徳を以ってせば、方に嫉妬の門を開かず
済(すく)う、救済される;承くる、受ける、伺う
承 意訳
節義を大切にする人は、人と調和して過ごすことが苦手なので、寛容の心を持って和を大切にします。すると言い争うことがなくなります。
功名にこだわる人は、他人からねたまれる傾向があります。そのために謙虚な徳を重要視すれば、嫉妬を受けることがなくなります。
転 別視点
節義を守るあまりに、周囲の人にも生活態度を強要してしまうことがあります。小学校の生活規律を守る委員長のような人です。敬意を払われることはありません。
功名に走る人は、うまく行っても嫉妬され、足をひっぱられます。功名は周囲の皆様のお蔭という謙虚な姿勢が必要です。
結 まとめ
節義を守ることも、功名を築くことも、悪いことではありませんが、同時に周囲との調和も大切にしないと足元をすくわれます。周囲からの反感や嫉妬を招くと何事もうまく行きません。