起 原文
至人何思何慮 愚人不識不知
可與論學 亦可與建㓛
唯中才的人 多一番思慮知識 便多一番億度猜疑 事々難與下手
至人は、何を思い、何をか慮り、愚人は不識不知なり
与に学を論ずべく、亦与に功を建つべし
唯中才的の人は、一番の思慮知識多ければ、便ち一番の億度猜疑多く、事々与に手を下し難し
億度猜疑(おくたくさいぎ)、憶測を働かせ、猜疑心を持つこと
承 意訳
悟りに達した人は、素直で偏見がない、愚人は何も知らないので教えを導くことが容易です
両者は共に学び、仕事をすることができます
ただ中途半端に知識のある人は、憶測と猜疑心が強く、共に仕事をするのは難しい
転 別視点
周囲を見渡してみると、悟りに達した人も、何も知らない愚か者も、どちらもほとんど存在しないように思います。今の日本の社会には、中途半端に知識のある人が大多数のように考えます。
そうなるとこの段落の現代における教訓は、自分自身が憶測で物を言ったり、猜疑心からあらぬ疑いを持ったりしないようにしましょう、という意味に解釈できます。
結 まとめ
憶測で物を言ったり、猜疑心からあらぬ疑いを持ったりするようなことのないように素直な心で過ごしましょう。