前集218 優れた能力を持つ人、多くの財産を持つ人は、その長けた部分を社会貢献のために使う

前集201-220

起 原文

天賢一人 以誨衆人之愚
而世反逞所長 以形人之短
天冨一人 以濟衆人之困
而世反挾所有 以凌人之貧
真天之戮民哉

天、一人を賢にして、以って衆人の愚を誨ゆ
而して世反って長ずる所を逞しくして、以って人の短を形わす
天、一人を富ましめて、以って衆人の因を済ふ
而して世反って有する所を挟んで、以って人の貧を凌ぐ
真に天の戮民なるかな

戮民(りょうみん)、殺戮されるべき人、罪人

承 意訳

天は一人を賢者にして、愚かな大衆を賢に導こうとした

しかしそうは行かずに、賢いことをアピールして大衆の愚を目立つようにしただけであった

天は一人を裕福にして、貧乏な大衆を貧困を救おうとした

しかしそうは行かずに、裕福なことを利用して大衆の貧困を更に悪化させた

これこそが、本当に罪深いことです

転 別視点

賢者は、その優れた能力で社会の役に立つべきで、自慢するだけでは天の意向に歯向かうことになります。

裕福な人は、社会の発展のために財を使うべきで、利己的なことに使っては天の意向に歯向かうことになります。

このような賢者と裕福な人は、まさに罪人と言えます。

結 まとめ

優れた能力を持つ人、多くの財産を持つ人は、その長けた部分を天命と考え、社会貢献のために使うべきです

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