起 原文
葢世㓛勞 當不得一個矜字
弥天罪過 當不得一個悔字
世をおおうほどの功労も、一個の矜の字に当り得ず
天にわたるの罪過も、一個の悔の字に当り得ず
矜、自慢すること
承 意訳
一世を風靡するような功績であっても、自らその功労を誇る気持ちがあれば、水の泡と消えてしまいます。功績は大きければ大きいほど、一人では成しえないので、自分一人の功績と誇ってはいけません。
世の中に響き渡るほどの大罪であっても、それを反省し、真剣に後悔するのであれば、その罪は消えてしまいます。悪を真剣に悟ったならば、それは善への道筋になります。
転 別視点
功労者の中では、自分の苦労を語る人よりは、自分を助けてくれた人に感謝を述べる人の方が好感が持てます。また、そうでないと大きな功績は残せないのかもしれません。
大罪を犯した人でも、その罪を後悔し、その過程を何らかの形で社会に還元できれば、誰かの役に立つことがありそうです。
結 まとめ
功績が上がったときは“周囲に対する感謝”を忘れないようにします。大きな罪であっても、真剣にそのことを反省します。その反省自体が善への道筋になります。