起 原文
處世譲一歩為髙
退歩即進歩的張本
待人寛一分是福
利人實利己的根基
世に処しては、一歩を譲るを高しと為す
歩を退くるは、すなわち歩を進むる的の張本
人を待つに、一分を寛にするはこれ福(さいわい)
人を利するは、実に己を利する的の根基なり
承 意訳
世の中を渡るには、他人と先を争ってはいけません。常に他人に一歩を譲り、控えめにしていることこそが、自分の人格を高尚にします。
一歩を譲り退くことは、自分が数歩進める礎に直結します。
人を待遇するときは、過度に厳格にしてはいけません。まずは一分を寛大にして、自由にしてもらいます。それが、自分に福をもたらします。
他人に利益を与えるということは、自分の利益となることに直結するということを忘れてはなりません。
転 別視点
まさに日本の諺「情けは人のためならず」を、日常の一歩と他人と接するときの態度を例に挙げながら、説明しています。
この諺は,「人に対して情けを掛けておけば,巡りめぐって自分に良い報いが返ってくる」ということが本来の意味です。国は異なれども、同じ教訓を諺のように言い伝えている点に感銘しました。
しかしながら、日本の若い世代においては、逆の「人に情けを掛けて助けてやることは,結局はその人のためにならない」という誤った解釈をする人の割合が少なくありません。
結 まとめ
他人のために良い行いすれば、巡りめぐって自分に良い報いが返ってきます。更には心の満足度の上がります。