起 原文
無事時心易昏冥
宜寂寂而照以惺惺
有事時心易奔逸
宜惺惺而主以寂寂
事無きの時は、心、昏冥し易し
宜しく寂寂にして、照すに惺惺を以ってすべし
事有るの時は、心、奔逸し易し
宜しく惺惺にして、主とするに寂寂を以ってすべし
昏冥(こんめい)、道理に暗くて、心が迷うこと;寂寂、ひっそりと静かなこと;惺惺、はっきりしている,明晰である;奔逸(ほんいつ)、走りのがれること
承 意訳
何も起きないときは、心が暗くてぼんやりした状態になります
そのなときは静かに、自分の心を照らしてはっきりとさせるようにします
何かが起きるときは、心はそわそわしてどこかに行ってしまいがちです
そんなときは頭脳を明晰にして、静かな心で対応します
転 別視点
何も起きない平和なときも、事件が起きて慌ただしいときも、頭脳明晰で落ち着いて対応しなさいということです。
寂寂は、静かで無心という意味で、寂しいというニュアンスはことではありません。惺惺は、「意識がはっきりしている」×2で、とても頭が冴えているという意味です。
どんなときも、いつもと同じように平常心で真剣に取り組むという内容です。
結 まとめ
どんな状況であっても、慌てることなく、心静かに、頭脳明晰な状態で物事を判断したいです。