前集011 清貧を座右の銘として、名声・利益に拘り過ぎない

前集001-020

起 原文

藜口莧腸者 多氷清玉潔
袞衣玉食者 甘婢膝奴顔
葢志以澹泊明 而節従肥甘喪也

藜口莧腸(れいこうけんちょう)の者は、氷淸玉潔(ひょうせいぎょくけつ)多し。
袞衣玉食(こんいぎょくしょく)の者は、婢膝奴顔(ひしつどがん)を甘んず。
けだし、志は淡泊を以て明らかに、しかして節は肥甘より喪う。

藜口莧腸、藜(あかざ)の葉を口にして、莧(ひゆ)で腸を満たす意味で、粗食のこと;氷淸玉潔、氷のように清く、玉のように潔い意味;袞衣、天子の礼服.

承 意訳

粗衣粗食をモットー(座右の銘)としている人には、心は氷の如く清く、玉のように潔い。

君主が着るような立派な服を着たり、美食に拘る人は、下男・下女(召使い)が主人に膝をついて追従するように、自分の上役に媚びを売ります。

これというのは、質素に拘る人は名声・利益に拘りがなく他人に対して何かをしてほしいという感情がありません。そのために媚びを売る必要がないのです。美食に拘る人は、名声・利益への念が強く、心の美しさをなくしてしまいます。

転 別視点

粗衣粗食は、貧乏くさい、不潔とは全く異なり、必要以上な華美を求めない姿勢です。清貧という言葉が一番近いイメージです。

袞衣玉食(こんいぎょくしょく)は、ただ単に綺麗な衣服・美味しい食事に留まらず、虚栄心を背景にした華美なものを示します。素直な自分の心とは別の次元のレベルとなりますので、かえって自分に無理をさせる結果になります。

結 まとめ

必要以上な物欲に拘らず清貧をモットーとして、名声・利益に拘り過ぎないように生きたいです。

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