起 原文
事有急之不白者 寛之或自明
毋躁急以速其忿
人有操之不従者 縦之或自化
毋操切以益其頑
事、之れを急にして白らかならざる者有り、之を寛にせば、或いは自ら明らかならん
躁ぎ急ぎを以て其の忿りをまねくこと毋れ
人、之を操りて従わざる者有り、之を縦てば或いは自から化せん
操ること切にして以て其の頑を益すこと毋れ
白らか、明らか;躁ぐ、さわぐ、慌ただしい;縦つ、はなつ、放つ;益す、増す、激しくなる
承 意訳
急いではその真相が明らかにならないときもあるが、ゆるりと構えれば自然と明らかになることもあります。
むやみに急いで誰かの怒りを招くようなことはしてはいけません。
誰かに何かをしてほしいときに、操るようにしても反感を買ってしまうときがあります。そんなときは、意見をさらりと述べて少し放置すれば自然とその意見に従ってくれるときがあります。
相手を操ろうとして、かえって相手を意固地にさせることは慎むべきです。
転 別視点
部下に何かをしてほしいときに、どのようにお願いをするのか、というテーマは多くの人が悩んできたことではないでしょうか。
これが仕事だからと上から指示しても、うまくいかないことが多いのは経験済みでしょう。方向性を示して、あとは相手のペースに任せるとかえってうまく行くことも多いです。でも、それだけでも不十分で、相手が動機付けできるような内容を提示することも必要かもしれません。
一番良くないのは、相手を意固地にさせることで、仕事はさっぱり進みません。相手を否定するような言葉は厳に慎むべきです。
子育ても同じで、相手の立場を考慮しながら、成長を期待しながら、言葉を選びます。子育ての経験をしたことのある上司は、そうでない場合よりも部下への対応が適切であると実感しています。
結 まとめ
相手に何かをしてほしいときは、相手の時間軸を考慮します。意見を述べたあとは、少し放置するくらいが良いときもあります。相手を操ろうとしては逆効果です。