前集150 世渡りには、周囲に対する思いやりと機転の利いた行動が重要

前集141-160

起 原文

作人無點真懇念頭 便成個花子 事事皆虗
渉世無段圓活機趣 便是個木人 處處有碍

人となるに点の真懇の念頭無ければ、便ち個の花子となり、事々皆虚なり
世を渉るに段の円活の機趣無ければ、便ち是れ個の木人なり、処々に碍り有り

真懇(しんこん)、真に親切であること;花子(かし)、乞食、物もらい;円活(えんかつ)、円滑;機趣(きしゅ)、機転

承 意訳

きちんとした人間になるには、まず初めに思いやりの気持ちがなければ、乞食と同然となり、全ての意味がなくなってしまいます

世の中を渡り歩くのに円滑にするための機転がなければ、人形のようなもので、いろいろな部分に障害が出現します

転 別視点

なにか行動を起こすときは、そのモチベーションの部分に「思いやり」がなければ虚しい行動になります。そして世の中を渡り歩くには機転も必要です。

行動の裏にある意図を、人々はとても気にします。その行動が注目を集めれば集めるほど、その意図も注目を集めます。利己的な考えであれば、全ては虚無となります。

行動を起こすには、発想だけではうまく行きません。裏工作を含めて、物事を円滑に運ぶためには機転も必要です。理想論だけでは、うまく回りません。

結 まとめ

世の中を上手に渡り歩くには、周囲に対する思いやりと機転の利いた行動が必要です。

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